1991 Fiscal Year Annual Research Report
災害時の迅速な避難行動の鍵「自主防災組織の避難訓練」の参加・不参加住民の要因分析
Project/Area Number |
03201231
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
西原 純 長崎大学, 教育学部, 助教授 (30136626)
|
Keywords | 自主防災組織 / 避難訓練 / コミュニティ / 避難行動 / 自然災害 / 社会の防災力 / 情報伝達手段 / 自治会活動 |
Research Abstract |
本研究では、長崎市の自主防災組織を事例に、1990年7月の扇町、1991年6月の侍石、7月も平山町、本河内1丁目の避難訓練を選び、住民の参加・不参加にはいかなる要因があるのかを,過去の災害経験、地域社会への関心、災害に関する認識、自主防災組織に関する認仕などに関するアンケ-ト調査を行ない明らかにした。取り上げた4防災組織は、「都市化の程度」と「1982年長崎豪雨災害時の被災程度」によって扇町:市街地・軽微な被害、本河内1丁目:市街地・比較的大きな被害、平山町:郊外部・軽微な被害、侍石:郊外部・比較的大かな被害、という4つの類型に分けられる。 扇町自主防災組織については、1990年に465世帯を対象に留置法によるアンケ-ト調査を行ない(回収率35.5%)、本年度要因分析を行なった。3地域については、今年度アンケ-ト調査を実施し(配布数・回収率:本河内1丁目・、平山町475・29.1%、侍石121・39.6%)、予察的な要因分析も終了した。 本格的な要因分析を行なった扇町自主防災組織について結果を述べる。林の数量化II類分析法によって、参加・不参加に影響したアンケ-ト調査項目を把握した。その結果、最も参加・不参加に影響している項目は、「避難訓練実施の情報入手手段」であり、回覧板のみの場合には不参加に、自治会役員または近所の人に誘われた場合には参加に作用している。以下家族構成、自主防災組織の必要性の認識、自主防災組織結成時期の認知、自治会役員経験の有無の順であった。このことから、地域社会の人間的関係が住民の避難訓練への参加を促す重要な要因であり、この点を踏まえて対策を立てる必要があることが明らかになった。
|
Research Products
(1 results)