1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03202135
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
羽田野 袈裟義 山口大学, 工学部, 助教授 (70112307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 隆 山口大学, 工学部, 教授 (40035035)
埜口 英昭 中国工業技術試験所, 海洋開発部, 主任研究官
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Keywords | 油流出 / 海域環境 / 表面密度噴流 / 1次元解析モデル / 密度フロント |
Research Abstract |
一様な流れの場に流出する油の拡がりについて,実験的理論的検討を行なった。実験は,幅3.8m,水深4m,有効実験区間長約40mの大型回流水槽を用いて行なわれている。油の流出は実験区間内の水面中央に下流向きに設置した放出口から連続的に噴出させる形とした。このような流出では,流出後しばらくすると,油層先端部とそれに続く定常な後続部分が形成される。先端部は時間(流下)と共に拡がり幅を増大する。 理論解析は油層先端部と後続部の両者について行なわれているが,その方法は,3次元表面密度流の1次元解析法に,油・水の密度差に起因する圧力のために横方向に拡がる効果を加味している。非定常な油層先端部と定常な後続部の理論解の基礎式は油層の連続式と運動方程式の流れ方向成分で共通であるが,以後の展開は両者のケ-スで異なってくる。まず,定常的は後続部では油層の平均的な流動厚さと断面平均の流速の流下方向の変化を規定する連立常微分方程式を導いた。これに前述の横方向の拡がりの条件を追加して計算を行なった。拡がり幅の計算値と実験値は割合良好に一致した。 一方、非定常な油層フロントに対しては,連続式と運動方程式を特性曲線上で表示し,流動厚さと断面平均流速の時間的変化を規定する連立常微分方程式を求めた。油層の平面形状がほぼ相似に保たれることに着目し,平面形状を半円形,そして速度と流動厚さの変化を相似形で仮定した。こうして拡がり幅最大の断面について計算し,その結果から油層最先端位置,平面形状を求めている。この場合も密度差に起因する拡がりの条件を追加した。計算結果は実験結果と割合良い一致を示した。 以上の他,流れと角度をなして流出する場合について,実験を行なうと共に,上と同様の理論展開により,方向角,拡がり幅,速度を規定する方程式を導びいている。
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Research Products
(1 results)