1991 Fiscal Year Annual Research Report
広域都市圏における緑地環境保全のための土地利用計画
Project/Area Number |
03202214
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 照男 東京大学, 農学部, 教授 (60011847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸長 浩司 日本大学, 農獣医学部, 講師 (10184706)
武内 和彦 東京大学, 農学部, 助教授 (90112474)
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Keywords | 広域都市圏 / 緑地環境 / 環境保全機能 / アメニティ / 都市農地 / 平地林 / 土地利用計画 / グリ-ンベルト |
Research Abstract |
広域都市圏に分布する農林地の環境保全機能、とくにアメニティ維持機能を評価し、自然環境の保全と快適環境の創造をめざした土地利用計画手法を開発することを目的として、本研究を実施した。 具体的な研究項目は、(1)農林地がもつ広域都市緑地環採としての意義を明らかにし、農林地の環境保全機能とフィジカルな環境構造との対応関係を把握すること、(2)そうした対応関係に基づき、緑地環境を保全しながら適正な市街化を行っていくための土地利用調整手法を明らかにすること、さらに(3)緑地環境保全の具体的方策を提案することである。 本年度は、昨年行われた広島市における事例研究をさらに進めるとともに、埼玉県浦和市、東松山市を対象に、農村的環境を生かした地区整備手法を検討した。その結果、以下のような点が明らかになった。 1)自然環境保全機能を低下させずにアメニティ維持機能を最大化するためには、樹林地では二次林(アカマツ林、クヌギーコナラ林)が、また農地としては樹園地が最も適していると判断される。これらを活用しながら、アメニティ環境整備を進めるためには、広義の農業公園化構想が有効である。 2)土地区画整理地区における緑地保全、集合農地形成、計画的土地利用転換のためには、農家の意向を集約するヒアリング調査とそれに基づく住民参加の計画策定が有効である。つまり、トップダウン方式ではなく、ボトムアップ方式の計画策定が望まれる。 3)こうした混住地域では、アメニティ農業を展開できる可能性が高いと判断される。観光農園、市民農園、有機農業などは、高付加価値型の新しい農業振興につながると期待される。 次年度は、さらに、過去2ケ年の成果をふまえて、体系的な農林地保全のための土地利用計画手法の提示を行いたいと考えている。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 武内 和彦: "都市における農と緑" 環境情報科学. 20. 14-20 (1991)
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[Publications] 武内 和彦: "持続可能な土地利用システム" 地理. 36. 49-53 (1991)
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[Publications] 武内 和彦: "空中写真によるランドスケ-プ・ユニットの判読" 森林航測. 16. 1-6 (1991)
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[Publications] 糸長 浩司: "ピ-タ-ラビットとグリ-ンツ-リズム" 建築とまちづくり. 166号. 10-13 (1991)
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[Publications] 糸長 浩司: "英国のグリ-ンリズムの示唆するもの" 新しい農村計画. 67号. 20-30 (1991)
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[Publications] 糸長 浩司: "農との共生まちづくり" 「人間環境系」研究報告集 G056‐N30B. 20-23 (1991)
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[Publications] 武内 和彦: "地域の生態学" 朝倉書店, 254 (1991)
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[Publications] 武内 和彦: "生態都市の発想" 総合ユニコム, 238 (1991)