1991 Fiscal Year Annual Research Report
微量有機汚染地下水の現場土壌環境中での生物化学的浄化に関する研究
Project/Area Number |
03202225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津野 洋 京都大学, 工学部, 助教授 (40026315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 春美 京都大学, 工学部, 助手 (40089123)
小野 芳朗 京都大学, 工学部, 助手 (50152541)
藤井 滋穂 京都大学, 工学部, 講師 (10135535)
宗宮 功 京都大学, 工学部, 教授 (60025947)
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Keywords | 有機塩素化合物 / 生物分解 / 環境微量汚染物質 / 地下水汚染 / 4ークロルフエノ-ル |
Research Abstract |
有機塩素化合物による地下水の汚染は現在の日本の重要な環境問題の一つである。その解決法の一つとして,汚染現場にて有機塩素化合物を微生物により分解し,汚染地下水を浄化する方法が考えられる。これに資するために,本研究では,有機塩素化合物として塩化フエノ-ル類を取り上げ,これらの生物分解に関与する微生物を単離・培養し,それらの活性特性の把握を試みる。 本年度の研究においては,昨年度の研究において得られているゴルフ場調整地由来の集積培養微生物群より,平板培養釣り菌法で4ークロルフエノ-ルを分解する細菌を単離した。この細菌は数種の生理試験によりPseudomonas属の細菌であると判定された。この単離細菌を対象にして4ークロルフエノ-ルの分解特性を実験的に検討した。有機基質としてグルコ-ス及び4ークロルフエノ-ルを含みCl元素を含まない培地での実験より,4ークロルフエノ-ルはCl^-の遊離まで分解されることが示された。有機炭素源としてグルコ-ス及び4ークロルフエノ-ルを含む培地と4ークロルフエノ-ルのみを含む培地での実験より,グルコ-スと4ークロルフエノ-ルは併行して除去されるが,4ークロルフエノ-ルのみの培地の方が2倍の速さで4ークロルフエノ-ルが分解されること,4ークロルフエノ-ルを含むグルコ-ス培地でこの菌を大量に増殖させうること,10mgUの4ークロルフエノ-ルを9時間で除去しうること,4ークロルフエノ-ルを単独で資化しうることなどが明らかにされた。以上より,本単離菌を汚染地で水の浄化に活用しうるにあたっての有用な知見が得られた。
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Research Products
(2 results)