1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03202230
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥 彬 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 徹 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (30214513)
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Keywords | クロロフルオロカ-ボン / パ-フルオロアルカン / 破壊処理技術 / 還元的処理 / ナフタレニド / 脱フッ素反応 |
Research Abstract |
今年度は今後製造量が増加すると思われる代替フロン物質のHFC(水素化フルオロカ-ボン)やPFC(パ-フルオロカ-ボン)を処理の対象とした研究を手掛けた。モデル化合物にパ-フルオロデカリン(PFDと略記)を用い、還元剤にナフタレニドまたはBirch還元浴を用いて脱フッソ処理を行った。その結果、いずれの還元法を用いても脱フッソが容易に進行することが見いだされた。 2ー1.ナフタレニド法: 金属LiまたはNaから調製したナフタレンラジルアニオン(PFDはフッソ18原子を持つから、18モル当量の還元剤を使用した)のTHF溶液をPFDのTHF溶液に加えて6ー12℃で所定の時間反応させ、後処理ののち脱離したF^ーイオンをイオンクロマトグラフで定量した。その結果、興味あることにLiーナフタレニドでは脱フッソ率は常に50%どまりであり、還元力を増強するいくつかの手段(ポリエチレングリコ-ルエ-テルの添加、光照射など)を適用しても効果がなかった。ところが対照的に、Naーナフタレニドでは同じ条件下で極めて効果的に脱フッソが進行し、短時間でほぼ定量的に脱フッソ化が進行することが明らかにされた。NaがLiに比べてこのように顕著な還元力の差を示すことは示唆的でありかつ興味深い。 2ー2.Birch法: 液体アンモニア中、共溶媒THFを用いて金属NaならびにLiでPFDを処理したところ、Liではやはり50%までしか脱フッソが進行しなかったが、Naを用いるとほぼ完全近くまで脱フッソした。この傾向はナフタレニド法と同じであり、安価なNaでの処理効率が定量的であることは実用面での利点となろう。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 奥 彬: "「HCFC等過渡的物質の削減方策検討調査」" HCFC等の化学的分解処理法 未来工学研究所報告書02ー02ー05. 115-126 (1991)
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[Publications] 奥 彬: "還元剤によるフロンの分解処理" 化学工業. 42. 451-455 (1991)
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[Publications] 奥 彬: "クロロフルオロカ-ボン(CFCー113)の還元的脱フッソ反応における中間生成物ならびに紫外光照射効果" 日化. 1991. 910-912 (1991)
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[Publications] 奥 彬: ""Complete Destruction of CFCs by Reductive Dehalogenation."" Destruction Technologles of Substances That Deplete the Stratospheric Ozone Layer.Ed.Japanese Committee of Technologies for Destruction of Substances that Deplete the Stratospheric Ozone Layer.Published by Japan Industrial Conference for Ozone Layer Protection(JICOP).72-80 (1991)