1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03202249
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
田中 芳則 東洋大学, 工学部, 教授 (20058077)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比企 三蔵 東洋大学, 工学部, 講師 (10058159)
|
Keywords | 汚濁河川 / 漏水 / 地下水 / 揚水試験 / 浸透ろ過試験 / 河川浄化 |
Research Abstract |
河川水の地中浸透を利用した河川浄化の可能性について各種実験を行なった。本年度は特に、現地においての河川・地下水間の質的・量的相互関係と現地上層の浄化機能についての実験に重点を置いた。 実験河川(埼玉県不老川)は漏水河川なので、地下水を揚水して河川に還元する河川浄化策を想定することができる。漏水量は時期、場所によって異なり、河川流量と河床の状態とによって変化することを確認した。漏水量は地下水漏養及び河川沿い地下水の水質に影響を与え得る水量であった。河川漏水の影響を含んで河川周辺の地下水水質は年間を通じて変動しているが、河川水質との間にはなお相当の差がある。さらに,ボ-リング孔を利用して地下水の揚水試験を行なった結果,透水係数が極めて大きくかなりの揚水量が見込めることに加えて,揚水の継続にともない水質が良化することを確認した。したがって、水質の良好な地下水を河川からの漏水量とバランスをとりつつ河川に導入することによって、河川浄化を図ることが可能になる。 河川水は河床からの浸透と地下流動の間に浄化作用をうける。この過程は種々の要因を含みそれらを相互に分離することは困難であるが,単純な仮定を設けて水質項目別に推定することによって、現地条件下においての窒素成分の硝化,洗剤成分減少などを量的に明らかにすることができた。しかし、現地で採取した砂を用いた河川水の飽和ならびに不飽和浸透ろ過試験によれば,浄化の進行は必ずしも一義的ではなく不規則であり、汚濁関連物質の吸着・付着と溶解・剥離を繰り返しつつ、浄化が進むものとみなされた。 以上の研究の結果,地中浸透浄化法の河川浄化システムへの組み込みとその効果について今後さらに検討してゆくことが可能になった。
|
Research Products
(2 results)