1991 Fiscal Year Annual Research Report
地下岩体の現位置通水特性の高精度計測評価法に関する研究
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03203205
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 一夫 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30111256)
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Keywords | 地熱開発 / 逸水 / フロ-インピ-タンス / トランスミッシビティ / 現位置計測 / 透水率 / 比貯留係数 / 異方性 |
Research Abstract |
人工熱交換熱交換層内の水の流動は主としてジョイントやき裂を通して起こるが,これらジョイントやき裂の発生に係わる要因に起因して,ジョイントやき裂の分布や方位に選択性がある場合が多々存在する.このような場合には,熱交換層通水特性は異方性を有することになる.本研究は,通水特性に異方性が存在する場合の,圧力パルス試験による現位置水特性計測価法を確立することを目的とする.透水性に直交異方性がある岩体内の水の流動に伴う間隙水圧の支配方程式と,圧力パルステスト時の坑井壁上の境界条件及び加圧系内の水の減少量と坑井壁からの透水水量に関する連続の条件とを検討し,圧力パルス試験時の加圧区間水圧の経時変化を表すタイプカ-ブの形を規定する3つの無次元パラメ-タを導出した。この3つの無次元パラメ-タは岩体の比貯留係数,水平方向の透水率及び,鉛直方向の透水率に対する水平方向の透水率の比によって定義されるものである。加圧区間水圧の経時変化を表すタイプカ-ブは次の特徴を持つ。すなわち,加圧区間が坑井半径に比べ十分長く,且つ,鉛直方向透水率が水平方向透水率に比べ大きいか,比貯留係数が大きいときには,タイプカ-ブの形は,比貯留係数及び水平方向透水率でほぼ決まり,透水率比による識別は困難である.また,加圧区間長さが坑井半径と同程度の大きさであり且つ,鉛直方向の透水率が大きいか,あるいは,比貯留係数が少さいときも,タイプカ-ブの透水率比による形の変化は少なく,識別が困難となる.以上の知見に基づき,加圧区間が坑井半径に比し十分大きい場合のタイプカ-ブおよびに加圧区間長さが坑井半径と等しい場合のタイプカ-ブの2種のタイプカ-ブと加圧区間水圧の経時変化曲線とのイタプカ-ブフィッティングによる直交異方性岩体の現位置通水特性計測評価法を開発した。また、客観的自動タイプカ-ブフィティングのアルゴリズムを確立した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Hayashi,K.Nishibe,T.Ito and H.Abe: "Inverse Problem on the Evaluation of Hydroulic Properties of Rocks Deep in the Earth's Crust and Effect of Tubular Compliance" JSME International Journal,Ser.I. 4. 459-463 (1991)
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[Publications] K.Hayashi,K.Niiyama,T.Ito and H.Abe: "Development of an Automatic and Objective Method for Evaluating Hydroulic Properties of Formations in a Depth" Geothermal Resources Council Transactions. 15. 477-482 (1991)