1991 Fiscal Year Annual Research Report
酸一塩基相互作用を認識に用いた二酸化炭素選択分離合成高分子膜
Project/Area Number |
03203235
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉川 正和 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (60158417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 剛夫 京都大学, 工学部, 教授 (10025893)
北尾 敏男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (70027879)
山根 秀樹 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (30191365)
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Keywords | 二酸化炭素 / 固定キャリヤ-膜 / 分子認識 / 高分子膜 / 膜分離 / アミン / 透過係数 / 選択透過膜 |
Research Abstract |
二酸化炭素認識の相互作用として、二酸化炭素がルイス酸の分類に従うと硬い酸であることから、酸一塩基相互作用を利用する目的で、第3級アミンを固定キャリヤ-(分子認識部位)に選び、第3級アミンを側鎖に有する新規な分離膜素材の合成ならびにそれより得られる高分子膜による二酸化炭素選択分離を検討した。 新規分離膜素材の合成は、第3級アミンとして2ー(N,Nージアルキル)アミノエトキシカルボニル基に着目し、第2級アミンと2ークロロエタノ-ルとの反応により得られる2ー(N,Nージアルキル)アミノエタノ-ル)と塩化メタクリロイルとの反応を行わせることにより得られたメタクリル酸 2ー(N,Nージアルキル)アミノエチル(アルキル:メチル,エチル,プロピル,ブチル,ヘキシル)を合成した。このビニルモノマ-を膜形成性の高いアクリロニトリルとラジカル共重合させることにより目的とする二酸化炭素選択分離膜素材を得た。 得られた高分子のDMF溶液より調製された高分子膜の膜性能評価を高真空装置を用いて行った。酸素ならびに窒素の透過係数は供給側圧力に依存せず一定の値を示したが、二酸化炭素は供給側圧力に依存性を示し、供給側圧力の増加に伴い透過係数は減少し一定値に漸近する傾向を示した。また、二酸化炭素の窒素に対する透過係数比として60ー90なる値が得られ、本研究課題によって新たに合成された高分子膜に導入された第3級アミンが二酸化炭素に対する固定キャリヤ-(分子認識部位)として有効に機能し、二酸化炭素を選択的に透過させることが明らかになった。
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