1991 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光EXAFSによる成長素過程のその場測定と原子レベルミクロ構造の制御
Project/Area Number |
03204013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹田 美和 名古屋大学, 工学部, 教授 (20111932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 正 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 教授 (40092332)
大柳 宏之 電子技術総合研究所, 電子基礎部, 主任研究官
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Keywords | 蛍光EXAFS / 成長素過程 / その場測定 / 原子レベル / ミクロ構造 / MBE / 相分離 |
Research Abstract |
成長初期過程観察用EXAFS装置 超高真空ビ-ムラインにSi/Ge用のMBE装置を接続し、X線ビ-ムの導入実験を行った。成長に関しては未だ立ち上げ中である。IIIーV族化合物用のMBE装置は成長チャンバ-が搬入され、Kセルの発注が終わったところである。ビ-ムラインへの接続には暫く時間を要し、当面はRHEEDおよびLEEDにより成長初期過程の基礎実験を行う予定である。蛍光EXAFS測定装置はビ-ムライン4とビ-ムライン13に設置してある。ビ-ムライン13の蛍光EXAFS測定装置では、ビ-ムライン4のものに比べてX線強度10倍、蛍光X線検出感度10倍に設計されている。現在は立ち上げ中で、平成4年2月からのビ-ム利用時間においてその基礎実験を開始する計画である。 GaAsSbにおけるミクロ構造 GaAsSb混晶は溶液や融液からの成長では、GaーAs結合長とGaーSb結合長の差が大きいため、2相に分離する。しかし、MBE法やOMVPE法でInP基板に格子整合するGaAs_<05>Sb_<05>では単一相の単結晶薄膜が成長できる。このような単一相では、本来大きい差のあるGaーAs結合長とGaーSb結合長はどのように緩和しているのであろうか。また、2相分離した各相ではどのような結合長を保つのであろうか。このような結合長の測定を行うことのできる唯一の方法が蛍光EXAFSである。得られた結果は、2相分離した各相では、それぞれの元の二元化合物における値を完全に保っており、結合長の差による歪エネルギ-を保有するより、分離することにより全エネルギ-の低減を図っていることが明かとなった。InP基板に格子整合する場合、成長時に二次元的な緩和を行いながら、基板にロックされるように、単一相を保ち、その原子間距離は他の単一相系のInGaAsと全白同じ値をもつことが分かった。
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Research Products
(1 results)