1991 Fiscal Year Annual Research Report
基板界面による強誘電性液晶の層構造及び物性制御と新界面評価システムの試作
Project/Area Number |
03205045
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福田 敦夫 東京工業大学, 工学部, 教授 (10013484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶川 浩太郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (10214305)
竹添 秀男 東京工業大学, 工学部, 教授 (10108194)
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Keywords | 強誘電性液晶 / 反強誘電性液晶 / スメクティック相 / 層構造 / 全反射 / 強制レ-リン散乱 |
Research Abstract |
今年度は反強誘電相を示す液晶の物性研究と新しい表面評価装置である全反射強制レ-リ-散乱装置の試作をおもに行った。 反強誘電相 1988年に我々が発見した3安定状態間スイッチングが電場誘起反強誘電ー強誘電相転移によるものであることを1989年に明かにした。このことに関し、基礎、応用の両面から研究を継続した。主な成果は(1)自己修複性。電場誘起相転移に基づく分子配向のスイッチングに伴う層のスイッチングは機械的ショックなどによって乱れた配向変化を自発的に修複する効果を持つ。この現象は電場を大きくし、層のスイッチングさえ起こさせれば反強誘電性液晶ばかりでなく、強誘電性液晶に関しても有効である。(2)誘電測定による反強誘電性液晶相を含む相転移の基礎的研究。1次、弱い一次、2次転移を示す物質のキュリ-定数などを決定した。(3)1次相転移を示す物質の光学異性体の混合物に関するX線回折による研究。光学異性体の混合により強誘電相が現れるが、現れる強誘電相の温度範囲に応じて常誘電相の層間隔が変化することが分かった。これは同じ異性体分子の2量体比という反強誘電性の起源を示唆する結果である。(4)フェリ誘電相の分子配列モデルに関する考察。(5)悪魔の階段。スメクチックA相の低温側にしばしば現れるスメクチックCa*相は悪魔の階段と呼ばれる特殊な相であることを明らかにした。(6)反強誘電性液晶相の出現に関する考察。(7)トンネル顕微鏡による強誘電性液晶、反強誘電性液晶の界面構造の観察。(8)るい位と呼ばれる欠陥構造の出現。 全反射強制レ-リ-散乱 全反射強制レ-リ-散乱装置を設計し、光学系を完成させた。ネマティック液晶を用い、全反射条件で回折信号が観察できることを確認した。信号の解析を進める一方、温度変化測定に対応できるよう準備を進めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Itoh et al.: "“Self‐Recovery from Alignment Damage under AC Fields in Antiferroelectric and Ferroelectric Liquid Crystal Cells"" Jpn.J.Appl.Phys.30. 735-740 (1991)
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[Publications] A.Ikeda et al.: "“Influence of the Optical Purity on the Smectic Layer Thickness and the Transition Order in Enantiomeric Mixtures of an Antiferroelectric Liquid Crystal"" Jpn.J.Appl.Phys.30. L1032-L1035 (1991)
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[Publications] H.Takezoe et al.: "“Ferrielectric Chiral Smectic Liquid Crystalline Phase"" Mol.Cryst.Liq.Cryst. 202. 85-90 (1991)
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[Publications] H.Hiraoka et al.: "“Dielectric Studies on Antiferroelectric Liquid Crystals"" Mol.Cryst.Liq.Cryst.199. 197-205 (1991)
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[Publications] Y.Takanishi et al.: "“Stability of Antiferroelectricity and Causes for its Appearance in SmCa* and SmCA* Phases of a Chiral Liquid Crystal,MHPOBC"" Jpn.J.Appl.Phys.30. 2023-2027 (1991)
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[Publications] K.Hiraoka et al.: "“Electric‐Field‐Induced Apparent Tilt Angle and Devil's Staricase in SmCa* of an Antiferroelectric Chiral Smectic Liquid Crystal"" Jpn.J.Appl.Phys.30. L1819-L1822 (1991)