1991 Fiscal Year Annual Research Report
熱伝導傾斜機能をもつ窒化アルミニウムの製造と特性に関する基礎研究
Project/Area Number |
03205048
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
米屋 勝利 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (30215412)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目黒 竹司 横浜国立大学, 工学部, 助手 (40134895)
|
Keywords | 窒化アルミニウム / シリカ / イットリア / 相反応 / 傾斜機能 / 高熱伝導性 / 断熱性 |
Research Abstract |
窒化アルミニウム(AlN)に他の元素が固溶すると熱伝導率が著しく変化する.この現象を利用して,AlN系材料に熱伝導傾斜機能を持たせた新材料を創製することを目的とする.本年度は,AlNへのSiやOの固溶によるAlN系ポリタイポイド(以下AlN^<(P)>と呼ぶ)を作成し,相反応と熱特性の詳細なデ-タを把握するとともに,AlN/AlN^<(P)>界面での挙動を調べ,熱伝導傾斜材料の創出への可能性を確認する. 2種類のAlN粉末にY_2O_3粉末を3wt%,SiO_2を0‐30wt%加えたものを調製した.これをペレット状に成形し,1800‐1900℃の窒素加圧雰囲気下で焼結した.SiO_2量の増加にともない,焼結体を構成するAlN^<(P)>相は27R→21R→12H→15Rと変化することが認められる.焼結体破断面のSEM観察によれば,AlNーY_2O_3系では結晶粒は等軸的形態を呈するが,AlN^<(P)>相の生成にともなって板状に変化する.AlN^<(P)>の種類によって板状の形は若干変化し,27Rでは薄板状,21R,15Rでは幾分厚みのある板状結晶が生成することが認められた.熱伝導率はSiO_2無添加の場合140‐180W/m・kであるのに対して,SiO_2を添加すると急激に低下し,僅か5wt%で20W/m・kに激減した.更に添加すると,SiO_210wt%で7W/m・k,25wt%では3.5W/m・kまでに低下し高い断熱性が得られた.一方,熱膨張係数はSiO_2添加によって幾分上昇するものの,ほぼ3‐5×10^<-6>/Kの範囲を示した. 以上の結果に基づいて,AlNーSiO_25wt%を選び,AlN/AlN^<(P)>試料を作成した.前者は後者より焼結速度が大きいので,焼成スケジュ-ルの設定に留意する必要がある.焼結体接合界面近傍のSEM観察によれば,界面近傍での粒形は等軸状から板状に組織変化するが,界面でのき裂の発生は認められなかった.今後はAlN/AlN^<(P)>の接合界面反応についてより詳細な実験を行い,熱伝導に傾斜を持たせたAlN系材料を試作評価する予定である.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] K.Komeya: "Thermal Properties of Aluminum Nitride Polytypes" Proc.of The 8th JapanーKoreaSemminar on Ceramics. 99-102 (1991)
-
[Publications] K.Komeya: "Role of Rare Earth Oxides on the Fabrication of Aluminum nitride ceramics" Proc.of TMS meeting. (1992)
-
[Publications] 米屋 勝利: "総論:窒化アルミニウムという材料" セラミックス. 26. 725-732 (1991)
-
[Publications] 米屋 勝利: "窒化アルミニウム系材料の進歩と展望" 粉体と工業. 24. 47-55 (1991)
-
[Publications] K.Komeya: "The Effect of Various Additives on Synthesis of AlN Powders by Carbothermal Reduction Nitridation Method(to be submitted)" Journal of the Ceramic Society of Japan.