1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03205053
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
木野村 暢一 山梨大学, 工学部, 助教授 (50029732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 伸弘 山梨大学, 工学部, 助手 (90161702)
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Keywords | アルミニウム多核水酸化物イオン / M_OO_3 / インタ-カレ-ション / イオン交換 / 無機層状化合物 |
Research Abstract |
MoO_3粉末を(Na_2S_2O_4+Na_2Mo_4)水溶液中で反応させ、生成物NaxMoO_3nH_2O(x=0.25〜0.5)を合成した。これを出発物質として、アルミニウム多核水酸化物イオンを含む溶液を用いてNaイオンとのイオン交換を行なった。Al/(Na)(ホスト化合物中のNa量)およびOH/A1比は、それぞれ2.5〜10および1.5〜2.5の間で変化させた。なお、出発物質をヨウ素で酸化し、層間のNaイオンを減少させたものを出発物質として同様のイオン交換も行なった。層間のNaイオンとアルミニウム多核水酸化物イオンとのイオン交換により層間距離の増加が観察された。生成物は、層間距離の約18Å程度のものと、約14Å程度の値を示すものとの2種類にグル-プ分けすることができた。これら2つの相の生成は、主にA1/(Na)比によるものと思われた。酸化した出発物質についても同様の結果が得られた。 生成物中のA1/Mo比は、0.34から0.89まで変化し、いずれもMoの還元量を補償するに必要な量以上のA1が取り込まれており、層間でA1は多核水酸化物イオンとなっていることが考えられ、層間距離の増加から粘土鉱物において報告されているのと同様の構造を持ったアルミニウム多核水酸化物イオンが層間に存在すると思われる。加熱により層間距離は18Åから200℃での14Åまで徐々に減少し、200℃以上の温度で加熱すると、構造が破壊された。残念ながら得られた化合物は、耐熱性はあまりなく、また比表面積もいずれの生成物も約10m^2/gと大きくはなかった。これは多核水酸化物イオンによって層間がほぽ埋め尽されているためと思われる。 他の粘土鉱物ではない無機層状化合物においては、層間に多核水酸化物イオンを導入するためにはあらかじめ大きな有機イオンでイオン交換する必要があるが、MoO_3を用いた実験においては、直接多核水酸化物イオンを導入することができたが、比表面積はこれまでと同様大きくはなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] N.Kinomura: "Ion Exchange of HTaWO_6 _nH_2O with Divalent Cations" New Developments in Ion Exchange,edit.M.Abe,T.Kataoka and T.Suzuki,Kodasnsya,Tokyo. 253-256 (1991)
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[Publications] N.Kumada: "Synthesis and Ionic Conductivity of AVP_2O_7(A=Li,Na,K)" Phosphorus Res.Bull.1. 245-249 (1991)
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[Publications] N.Kinomura: "Intercalation of Weak Lewis Bases into HTaWO_6 _nH_2O" Solid State Ionics.
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[Publications] N.Kinomura: "Intercalation of nーAlkyldiamines into H_×M_<O2>O_4" Mat.Res.Bull.