1991 Fiscal Year Annual Research Report
ゾル-ゲル法による新しい有機ー無機ハイブリッドの合成
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03205080
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
こうじ谷 信三 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕子 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (10202904)
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Keywords | ポリ(テトラメチレンオキシド / テトラエトキシシランン / ゾル-ゲル法 / 有機ー無機ハイブリッド / ガラス / ゲル / イオン伝導体 |
Research Abstract |
前年度と同じ手法により,ポリ(テトラメチレンオキシド)(PTMO)を主鎖に有するトリエトキシシリル(ET)末端ポリマ-を,水酸基末端PTMOを出発物質としアリ-ル末端ポリマ-を経て合成した。ETーPTMOとテトラエトキシシラン(TEOS)の混合物について,酸触媒によるゾル-ゲル反応を行った。ETーPTMO/TEOSの比を前年度より大きく変化させて有機/無機まハイブリッドゲルを作製した。作製されたゲルはすべて光学的に透明であった。テトラヒドロフランを抽出溶剤とするソックスレ-抽出の結果,有機成分の多いものでは抽出分が前年度に報告した80%よりも高くなった。仕込みのETーPTMO/TEOS比を変化させた場合,ゾル-ゲル反応の条件をそれに応じて変化させる必要がある。ハイブリッドゲルの動的粘弾性試験の結果は,広い有機/無機成分比の範囲で同様な特性,すなわち幅広い損失正接のピ-クを示した。この原因として,全く相溶しない有機成分と無機ガラス成分が,かなり細かく分散していることが考えられるが,幅広い分散を与えるメカニズムについては今後の課題であろう。ハイブリッドゲルへの無機電解質のド-ピング方法を検討した。過塩素酸リチウムの場合にはゾル-ゲル反応に大きな影響を与えないことが判明したので,過塩素酸リチウム/ゲル複合体を作製した。この複合体も多くの場合充分にフレキシブルであり,厚さ1mmより薄いフィルム状であっても,ハンドリングは容易であった。複合体のイオン伝導度を交流インピ-ダンス法により測定した。室温では10^<-5>S/cm程度の導電率が観測された。導電率の温度依存性はウイリアム・ランデル・フェリ-(WLF)型の式で整理でき,リチウムカチオンの移動に自由体積が重要な役割を演じているものと推定した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 〓谷 信三: "高分子固体電解質" 化学工業. 42(2). 31-39 (1991)
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[Publications] 高田 泰広: "G'ーG"クロスオ-バ-によるゲル化点の決定" 海外高分子研究. 37(7). 164-165 (1991)
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[Publications] K. Kajiwara: "“Polymer Gel"ed.by D. DeRossi et.al.Chapter 1" Plenum Press, 17 (1991)
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[Publications] S. Kohjiya: "“Polymer Gel"ed.by D.DeRossi et.al.Chapter 5" Plenum Press, 15 (1991)