1991 Fiscal Year Annual Research Report
日本語音声における韻律的特徴ー東日本における音声の収集と研究ー
Project/Area Number |
03208102
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 正信 東北大学, 文学部, 教授 (90004035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 資純 静岡英和女学院短期大学, 教授 (80021814)
篠木 れい子 群馬県立女子大学, 文学部, 助教授 (50083233)
大橋 勝男 新潟大学, 教育学部, 教授 (50018157)
佐藤 和之 弘前大学, 人文学部, 助教授 (40133912)
小野 米一 北海道大学, 言語文化部, 教授 (60002622)
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Keywords | 東日本 / 韻律 / アクセント / イントネ-ション / 方言音声分布 / 共通語音化 |
Research Abstract |
本研究は、東日本地域をフィ-ルドとして、全国的視野から計画された地点の方言的音声を各世代について良質な音声を収録し,新しい方法と観点によってそれを分析することを目的とするものである。これには2種類の作業がある。 第1は、東日本地域を、北海道から岐阜県にいたるまでの約20地点において、老年、中年について、全国共通調査票により一定の音節,語、文、文章を高音質のテ-プレコ-ダ-によって収録し、それらに音声デ-タ-ベ-ス化のため1か所に集めた。これらによって、昨年度までと合わせて合計40地点近くとまり、東日本における韻律の地方的分布をある程度明らかにするとともに、老年層と若年層の音声の全国的な相違も従来の方言学における方言音声分布ともある程度異った新しい動向も明らかにすることができた。特に、東日本地域においては東京語、共通語の影響が音声面においても大きいことが確認された。 第2は、東日本の将来の音声をリ-ドする土地として、主要5都市を選び、今年度は音森県弘前市と宮城県仙台市の2地点について、各都市とも、小学生、中学生、若年、中年、老年の年齢、男女別に計約100名を対象として、その地方における問題や全国共通の問題について項目を定めという各人数調査を行った。これにより、都市における各年齢層の実態を録音に収めるとともに、音声、韻律の現在および将来の動向を把握することができた。 なお、以上の作業によって、従来の個々の音声や単語アクセントにとどまらない、もっと大きな単位の音連続、文アクセント、イントネ-ション、生きた談話、朗読の研究法の開発をすることができた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 小野 米一: "北海道根室方言のアクセント" 東日本の音声ー論文編ー(2). 2. 1-10 (1992)
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[Publications] 佐藤 和之: "北奥羽方言のガ行鼻濁音と有声化の衰退に関する一考察ー弘前市方言話者100名からの分析ー" 東日本の音声ー論文編ー(2). 2. 11-20 (1992)
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[Publications] 大西 拓一郎: "青森・岩手・宮城三陸沿岸地域方言のアクセント" 東日本の音声ー論文編ー(2). 2. 21-35 (1992)
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[Publications] 志村 文隆: "岩手県花巻市方言のアクセント" 東日本の音声ー論文編ー(2). 2. 36-45 (1992)
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[Publications] 篠木 れい子: "無型アクセントの音相実態と共通語化(2)" 東日本の音声ー論文編ー(2). 2. 46-49 (1992)
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[Publications] 下野 雅昭: "名古屋市方言のアクセントの動態" 「日本語音声」研究報告(「日本語音声における韻律的特徴の実態とその教育に関する総合的研究」研究報告書1991). 6. 31-34 (1992)
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[Publications] 加藤 正信(代表): "東日本の音声ー調査票編ー(解説を含む)" (自家版300部)科研費報告書 加藤 正信, 107 (1991)
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[Publications] 大橋 勝男: "新潟市沼垂地区の言語の世代変化について" 科研費報告書(自家版300部)大橋 勝男, (1992)