1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03209103
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
赤澤 威 東京大学, 総合研究資料館, 助教授 (70013753)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 一泰 茨城大学, 教養部, 助教授 (50212337)
大塚 柳太郎 東京大学, 医学部, 助教授 (60010071)
西山 賢一 国際大学, 教授 (30037270)
|
Keywords | モンゴロイド / 日本人 / アメリカ・インディアン / 人種・民族 / 遺伝 / アクソト-プ / 最終氷期 / 古環境 |
Research Abstract |
1992年1月13日(月)〜15日(水)、当重点領域研究発足以来3年間の研究成果をもって総合的なシンポジウムを行い、今年度の研究地域、アメリカ大陸へのモンゴロイドの移住と拡散の問題を重点的に討議し、最初のアメリカ人の登場等につき下記の結論を得た。 1.約2〜3万年前、北緯60度以北の東北シベリアのアルダン川流域に本格的に進出し、定着することに成功した先史モンゴロイドのなかから引き続き東進した一団が現れる。 2.先史モンゴロイドが東進を試みたのは最終氷期の極相期、約21000年前以降と考えられ、ちょうどシベリア・アラスカ陸橋ベ-リンジアが最も拡大する時期であり、そして最初のアメリカ人の登場は再びベ-リング海峡があらわれる約14000年以前である。 3.最終氷期の北アメリカ北部には大陸氷河が広く発達しており、アラスカに到達した先史モンゴロイドはしばらくアラスカの地に閉じ込められるが、約12000年前にカナダ・ロッキ-山脈東麓にあらわれた無氷回廊を経由して南下する。 4.無氷回廊を通り北アメリカ大陸南部の大平原に到達した先史モンゴロイドは、その後約1万5〜6千kmの距離を約1000年という、それまで人類が移住・拡散に要した時間を考えるとまさに一瞬のうちに南アメリカ大陸最南端に到達した。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 大塚 柳太郎(J.Yoshinaga): "Carbon and nitrogen isotopic characterization for Papua New Guinea foods." Ecology of Food and Nutrition. 26. 17-25 (1991)
-
[Publications] 大塚 柳太郎(J.Yoshinaga): "Dietary selerium intake of the Gidra,Papua New Guinea" Ecology of Food and Nutrition. 26. 27-36 (1991)
-
[Publications] 大塚 柳太郎: "Human adaptation to living environments and its recent change in cleveloping countries." Proc.7th Yokohama Forum for 21st Century. 73-82 (1991)
-
[Publications] 大塚 柳太郎: "パプアニュ-ギニアにおける食生活と健康" 保健の科学. 34. 110-114 (1992)
-
[Publications] 西山 賢一: "Ecological Approach to Economic Systems." Working Paper #GLOCOM8 Center for Global Communications.(1991)
-
[Publications] 赤澤 威: "Dietary patterns of Japanese Jomon hunterーfisherーgatherers:Stable nitrogen and carbon analyses of human bones." Pacific Northeast Asian in Prehistory. 75-97 (1991)
-
[Publications] 赤澤 威(編): "The Evolution and Dispersal of Modern Humans in Asia" 東京:北泉社, 650 (1992)
-
[Publications] 西山 賢一: "文化生態学入門" 批評社, (1992)