1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03209106
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片山 一道 京都大学, 理学部, 助教授 (70097921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多賀谷 昭 大阪市立大学, 医学部, 助手 (70117951)
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Keywords | オセアニア / モンゴロイド / 頭蓋計測値 / 生体計測値 / クラスタ-分析 / ポリネシア人 / 過成長仮説 / 適応拡散 |
Research Abstract |
古人骨の頭蓋の計測値や形態小変異、生体計測値に関する人類学的デ-タを大規模に集めて、多変量に解析し、オセアニア地域の人類集団をクラスタ-図のかたちでアウトプットすることを試みた。デ-タの種類や資料の制約によって細部では一致をみないものの、大まかなところでは、オ-ストラリア、ニア-・オセアニア、リモ-ト・オセアニアの3グル-プに、オセアニアの人類集団は区分できることがわかった。オ-ストラリア・グル-プはオ-ストラリア各地のアボリジニとかつてのタスマニア人を含み、ニア-・オセアニア・グル-プはニュ-ギニア周辺の雑多な民族集団で構成される。リモ-ト・オセアニア・グル-プの中のポリネシア人は、分布の広さにもかかわらず、文化的にも身体特徴のうえからも均質性が強いことから、独立した民族であると考えることができる。彼らの身体特徴を要約すると、ホモ・サピエンスの中では、とりわけユニ-クさが目だつ点が大きな特徴である。そのユニ-クさを形態学的に分析することによって、彼らが"過成長タイプ"の人たちではないか、という仮説を提唱するにいたった。そして、何故そうなったのかという理由を先史学的な文脈の中で考察した。オ-ストラリア人も含めて、すべてのオセアニアの人類集団は、リモ-ト・オセアニアの海洋性の島嶼環境や、オ-ストラリアやニュ-ギニアに独特の生態環境に規定された特殊な生息条件に適応的に育まれた人たちであるために、身体面でも文化面でも、アジアの大陸部のモンゴロイドやアメリカ大陸に進出したグル-プとは大きく異なっているのである、というのが現在までに得た結論である。これら研究成界の一部は、既に学術論文などで発表した。
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[Publications] KATAYAMA,Kazumichi: "Who were the Lapita People?-A Quest for The Answer into Their Skeletal Remains" Journal of Anthropological Society of Nippon. 99. 230 (1991)
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[Publications] 片山 一道: "オセアニアに乗り出したモンゴロイド" 科学(岩波書店). 62. (1992)
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[Publications] 片山 一道: "ポリネシア人は過成長タイプのモンゴロイドなり" 季刊「モンゴロイド」. 13. (1992)
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[Publications] 片山 一道: "現代ポリネシア人の光と影" 月刊「健康」. 368. 34-35 (1991)
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[Publications] 片山 一道: "幻の海洋民族ラピタ人" 朝日新聞(夕刊). 1月31日号. 11 (1992)
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[Publications] 片山 一道: "On the Anthropology of Micronesian Island Group Kapingamarangaiの書評" Journal of Anthropological Society of Nippon. 99. 169-170 (1991)
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[Publications] 片山 一道: "ポリネシア人ー石器時代の遠洋航海者たち" 同朋舎出版, 282 (1991)