拡散モデルの構築

1992 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 03209113
• Research Institution: National Museum of Ethnology
• Principal Investigator: 杉田 繁治 国立民族学博物館, 第5研究部, 教授 (40026042)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 田島 和雄 愛知県がンセンター研究所, 疫学部, 部長 (30150212) ; 石毛 直道 国立民族学博物館, 第2研究部, 教授 (80044741) ; 青木 健一 東京大学, 理学部, 助教授 (30150056) ; 及川 昭文 茨城大学, 人文学部, 教授 (30091888) ; 井口 征士 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90029463)
• Keywords: データベース / マッピングシステム / 成人T細胞白血病(ATL) / コンピュータシミュレーション / 立体計測 / 分布地図

Research Abstract

平成3年度に引き続きデータ入力と検索・表示プログラムの開発、モデル構築とシミュレーションを行なった。
1.モンゴロイド・データベースの構築
考古学や民族学、生物学、遺伝学、植物学、自然環境学などの分野が収集した文字・数値、写真、スライド、スケッチ、図形データを一万点近くコンピュータと連動したシステムに入力し、多角的な検索ができるソフトウエアの開発を行なった。それにより遺跡や調査地点を世界地図の上にマッピングし、そこからの出土品や自然的環境の様子を画像で表示することができる。
2.頭蓋骨などの立体計測
年代の異なる数体の頭蓋骨の3次元計測を行なった。これは骨や頭蓋骨から人間の変化を知るための一環である。従来のものに比べてかなり良好な結果が得られている。
3.地図の多角的表示
対象データの分布図を棒グラフや円グラフで表示する方法や、同一のデータを様々な図法の世界地図の上に表示する方法を開発した。
4.成人T細胞白血病(ATL)の分布に関するシミュレーション
ATLに関する報告文献を収集し、それを用いて世界的な分布図を作成した。またATLの母子感染率、男女間の水平感染率をパラメータにして、この特異な分布をコンピュータによってシミュレーションを行なった。また病院からの調査データを分析し、ATLキャリアーの傾向とシミュレーションの対比を行なった。
5.移住と拡散のシミュレーション
先史人類集団の移住と拡散のシミュレーションを行なうために基礎的なモデルを構築した。このモデルは、出生率、死亡率、居住地の人口支持力などを考慮している。人口の推定、拡散の状況についての情報を得ることができる。またモンゴロイドのアメリカ大陸に進出した可能性を反応拡散モデルを用いて検討した。氷河を渡るのに要する時間および平衡状態における中央の領域の人口の推定などを検討している。

Research Products

• [Publications] 杉田 繁治: "「映像で見るモンゴロイドの動きーモンゴロイド・データベースー」" 『モンゴロイド地球を動く』. 26-30 (1993)
• [Publications] 瀬野 裕美: "Stochasic Model for Colony Dispersal" Anthropol.Sci.101(1). 65-78 (1993)
• [Publications] 徳留 信寛: "EPIDEMIOLOGIC STUDY OF HTLV-I-ASSOCIATED DISEASES" INTERNATIONAL EPIDEMIOLOGICAL ASSOCIATION THIRTEENTH SCIENTIFIC MEETING. 26-29 (1993)
• [Publications] 徳留 信寛: "「成人T細胞白血病・リンパ腫とHTLV-I関連脊髄症に関する疫学的研究」" 『癌の臨床』. 38(3). 337-342 (1992)
• [Publications] 徳留 信寛,小熊 茂: "Accelerated Declining Tendency oF Human T-Cell Leukemia Virus Type I Carrier Rates among Younger Blood Donors in kumamoto,Japan," CANCER RESEARCH 52. 2620-2623 (1992)
• [Publications] 青木 健一: "Modelling the Dispersal of the First Americans through an Inhospitable Ice-free Corridor" Anthropol.Sci.101(1). 79-89 (1993)
• [Publications] 大場 保,正木 基文他1名: "A Simulation Model for Migrations and Dispersals of Prehistoric Human Populations" Journal of the Anthropological Society of Nippon. 98(4). 513-520 (1990)
• [Publications] 大場 保: "「先史人口集団の移住・拡散過程のシミュレーションモデルの開発」" 厚生省人口問題研究所『人口問題研究』. 46(4). 49-60 (1991)
• [Publications] 田島 和雄: "第5次成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)全国実態調査の報告ー第4次全国実態調査の評価ー" 『癌の臨床』. 38(3). 405-416 (1992)
• [Publications] 井口 征士: "「広がりを見せる三次元画像計測技術」" 『計測と制御』. 31(9). 968-974 (1992)
• [Publications] 田島 和雄他5名: "Epidemic patterns of hepatitis type B virus(HBV)and human T lymphotropic virus type I(HT1V-I)in two ATL-endemic islands in kyushu" Japan.Nagoya J.Med.Sci.53(1). 23-32 (1991)
• [Publications] 田島 和雄他4名: "No anti-HTLV-I antibody positives among polynesians in the southern cook Islands." Man and Culture in Oceania,7. 63-69 (1991)
• [Publications] 田島 和雄他1名: "Epidemiology of HTLV-I/II in Japan and the world." Gann Mono.Cancer Res.39. 129-149 (1992)
• [Publications] 田島 和雄: "Adlut T cell leukamia/lymphoma(ATL)in Japan." J.Epidemiol.(Suppl.),2. 63-74 (1992)
• [Publications] 田島 和雄: "Progressive spastic paraparesis associated with human T-cell leukemia virus type I(HTLV-I)." Internal med.31(11). 1257-1261 (1992)
• [Publications] 田島 和雄: "「HTLV-I、IIのサブタイプの分布」" 『Medical Immunology』. 24(6). (1992)
• [Publications] 田島 和雄: "Southernmost Carriers of HTLV-I/II in the world" 『PAPID COMMUNICATION』Jpn.J.Cancer Res.84. 1-3 (1993)
• [Publications] 石毛 直道編: "週刊医学のあゆみ『HTLV-Iと民族疫学』" 医歯薬出版, 97 (1993)
• [Publications] 石毛 直道編: "週刊医学のあゆみ『HTLV-Iと民族疫学』" 医歯薬出版, 97 (1993)青木 健一: