1991 Fiscal Year Annual Research Report
オセアニアにおける先史モンゴロイド集団の拡散と適応
Project/Area Number |
03209209
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Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
印東 道子 北海道東海大学, 国際文化学部, 助教授 (40203418)
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Keywords | 先史モンゴロイド / オセアニア / 拡散 / 環境適応 / 文化接触 / ミクロネシア / メラネシア |
Research Abstract |
ミクロネシア、メラネシアを中心に発掘資料をデ-タベ-ス化した一昨年、昨年に引き続き、本年度はポリネシア地域の発掘資料を収集し、デ-タベ-ス化を行なった。デ-タベ-スはハ-ドウェア:NEC,PCー98XL^2、ソフトウェア、The Card3を使用した。抽出項目は昨年度までと同じで以下のものである:1)遺跡名 2)遺跡立地 3)年代 4)出土人骨の有無 5)出土遺物。デ-タ-数は約1000で、これまでのものと合わせて約3000件となった。 本研究が所属する重点領域研究の他のプロジェクト班の要請により、オセアニアのモンドロイド関係のスライドを約200点提供した。これはモンゴロイドの写真をデ-タベ-ス化するプロジェクトで、世界の各地に拡散したモンゴロイドの様子を生活している場で記録収集するというものである。 また、一昨年に作成したミクロネシアの遺跡調査デ-タベ-スを検討した結果、調査が貧弱な中央カロリン諸島の考古学調査の必要性と重要性が新らかになった。そのため本プロジェクトとは別に文部省科学研究費(国際学術研究)を得て(代表:大阪大学・小松和彦)、ファイス島で自ら発掘調査を行なった。その結果、ソロモン諸島との文化的親縁関係を示す自然遺物や文化遺物を発掘した。これによって言語学的に示唆されてきた、ミクロネシアの中央カロリン諸島周辺と南東ソロモン諸島周辺の言語的親縁関係を、考古学的に裏付けることができた。この資料は、メラネシアからミクロネシアへのモンゴロイド集団の拡散の様子を年代資料と共に裏付ける最初のものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 印東 道子: "「ファイス島第一次発掘調査速報」" 日本オセアニア学会ニュ-ズレタ-. No.41. 2-11 (1991)
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[Publications] Intoh,Michiko: "Archaeological research on Fais Island ーpreliminary reportー." A research report submitted to the Historic Preservation Office,Yap State,Federated States of Micronesia.38 (1991)
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[Publications] 印東 道子: "「オセアニアへの人類集団の拡散と適応 ー2つの流れー」" 季刊モンゴロイド. No.13. 27-33 (1992)
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[Publications] 印東 道子: "「ミクロネシアの先史文化の源流を求めてーーファイス島の発掘調査から」" 月刊文化財. 3号. 145 (1992)
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[Publications] 印東 道子: "「マリアナ考古学から見た小笠原」" 東京都社会教育庁文化課編『小笠原諸島他遺跡分布調査報告書』. 45-56 (1992)
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[Publications] 印東 道子: "「先史マリアナ諸島の稲作問題再考」" 北海道東海大学紀要人文科学系. 4. (1992)