1991 Fiscal Year Annual Research Report
日本における最終氷期と後氷期の古環境変遷に関する研究
Project/Area Number |
03209212
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小疇 尚 明治大学, 文学部, 教授 (10061897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
叶内 敦子 明治大学, 文学部, 兼任講師 (50194882)
杉原 重夫 明治大学, 文学部, 教授 (90061978)
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Keywords | 古環境 / 古植生 / 最終氷期 / 示標テフラ / 氷河堆積物 / 気候変化 |
Research Abstract |
1.これまでに、奥羽山脈南部から栗駒山までの山地湿原でボ-リング調査を行い、採取したボ-リングコアの花粉分析を行った。これらのコアには何枚かの広域テフラが含まれており、調査地域での泥炭層の年代決定および対比をより詳細に行うことができた。その結果から、栗駒山世界谷地湿原、矢の原湿原、駒止湿原の最終氷期から完新世にかけての東北地方の古植生の変遷を連続的に明らかにした。 2.伊豆半島先端部の蛇石大池湿原でボ-リング調査を行い、約6mのコアを採取した。このボ-リングコアにはAT、KーAh、Kgなどの示標テフラが認められ、最終氷期から完新世にかけての連続した堆積物であることが明らかになった。このボ-リングコアの花粉分析を行い、伊豆半島での最終氷期の植生と、最終氷期から完新世にかけての植生変化を明らかにした。とくに、関東地方から東北地方の沿岸部に分布している照葉樹林の成立とその年代についての資料を得た。 3.聖岳北方高野付近および立山火山における最終氷期以降の堆積物の堆積環境と年代については、調査と分析を継続中である。 4.以上の成果と、申請者らがこれまでに行ってきた東日本各地のボ-リング調査の結果を合わせて、関東地方から東北地方までの、最終氷期から後氷期の植生変化を明らかにするために、現在示標テフラをもとに堆積物の分析結果の対比・編年作業を行っている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 杉原 重夫: "示標テフラの検出と ^<14>C年代測定値" 千葉市神門遺跡ー縄文時代早・前期を主とした低湿地遺跡の調査. 296-300 (1991)
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[Publications] 杉原 重夫: "三の原遺跡のテフラ層序" 三の原遺跡. 240-243 (1991)
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[Publications] 杉原 重夫: "上総層群梅ガ瀬層中の示標テフラの岩石記載的特性と下部更新統の対比・編年の試み" 月刊「地球」. 142. 240-248 (1991)
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[Publications] 杉原 重夫: "上総層群梅ケ瀬層の古地磁気層序ー鮮新世,更新世の境界に関連してー" 駿台史学. 85. (1992)
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[Publications] 叶内 敦子: "伊豆半島南部蛇石火山大池における最終氷期以降の堆積物の花粉分析" 日本第四紀学会講演要旨集. 21. 90-91 (1991)
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[Publications] 叶内 敦子: "山地湿原の発達史と古環境" 植生史研究. 7. 15-23 (1991)
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[Publications] 山疇 尚: "山を読む" 岩波書店, 148 (1991)