1991 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物超伝導体表面の局所トンネルスペクトロスコピ-
Project/Area Number |
03210211
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 哲也 東京大学, 工学部, 講師 (10189532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 佳美 東京大学, 工学部, 助手 (50227972)
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Keywords | 酸化物超伝導体 / トンネルスペクトロスコピ- / 超伝導ギャップ / 走査型トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
酸化物超伝殿体の異方的な電子講造について調べるため,Bi系並びにLa系超伝導体について室温か5極低温までの温度範囲についてSTM/STS測定を行なった。その結果、Bi系超伝導体の劈開面(BiO層)は液体ヘリウム温度でもo.lev程度のギャップを持った半導体であることがわかった。また、半導体ギャップの大きさはBiO層に過剰酸素を導入するほど小さくなった。このことは、本系の異方性が酸素量により制御可能なことを示している。一方、Bi系断面ではCuーO層に起因する明確な超伝導ギャップが観測されたが、この大きさはBCS弱結合理論の予想値よりも倍以上大きく、強結合の状態になっていると考えられる。ただし、スペクトルの形状は試料ー探針間の距離に依存し、探針が試料表面に近いほどコンダクタンスの発散型ピ-クは鋭くなるものの、ギャップ内の状態密度は増加した。このため、スペクトルよりギャップの値を正確に見積ることは因難であった。 La系の場合、ab面のトンネルスペクトルはSrド-プ量により大きく変化し、この系の金属ー絶縁体転移と良い対応を示した。一方、ac面についてはコンダクタンス曲線は常に2次関数で表わされ、金属的であった。このことは、ab面にとLa(Sr)ーO層が露出していることを意味しており、酸化物超伝導体の場合、一般にキャリアの導入はCuO層よりも、それを隔てる絶縁層の電子構造をより大きく変化させるということを示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Nantoh: "STM/STS study of Single Crystalline Bi_2Sr_2CaCu_2O_y (1):Superconducting Gop and Baviu Width Dependence of Tunneling Spectrum" Physica C. 185ー189. 861-862 (1991)
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[Publications] W.Wei: "STM/STS Study of Single Crytalline Bi_2Sr_2CaC_<u2>O_y(2):Electronic Nature of the BiO Layer as a Function of Oxggen Content" Physica C. 185ー189. 863-864 (1991)
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[Publications] T.Hasegawa: "Cryogenic Scanning Tunneling Spectroscopy on Oxide Superconductors" Physica C. 185ー189. 1743-1744 (1991)
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[Publications] T.Hasegawa: "Anisotropic Electronic Structures of Oxide Supercondnctors Inrestigated by STM at Cryogenic Temperatures" Physica C. (1992)
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[Publications] K.Kitazawa: "AtomーSite Specitied Tunneling Spectroscopy on Oxide Superconductors and Charge Density Wave Materials" Physica Scripta.
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[Publications] T.Hasegawa: "“Tunneling Spectroscopy of Oxide Superconductors"in“Physical Properties of High Temperutue Superconductors III"" World Scientific Publishing, (1992)