1991 Fiscal Year Annual Research Report
キャリア-濃度を変化させたBiSrCaCuO系高温超伝導体の電子分光法による研究
Project/Area Number |
03211215
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
福田 安生 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30208970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞田 則明 静岡大学, 電子科学研究科, 助手 (00226028)
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Keywords | Bi系高温超伝導 / 元素置換 / 真空アニ-ル / ホ-ル / XPS / UPS |
Research Abstract |
Bi_2Sr_2CaCu_2O_y系高温超伝導酸化物を真空中でアニ-ルすると、酸素が脱離する。我々は初めて脱離する酸素のみを測定することにより、その脱離量を求めることが出来た。その量は1分子あたり〜5x10^<-2>のオ-ダ-である、非常に少ないけれども、Tcが65Kから93Kまで上昇することを明らかにした。 Caサイトを3価イオンで置換するとホ-ルが減少して、最適ホ-ル量となり、Tcが上昇するとかんがえられている。しかし、CuサイトをFe、Coで置換すると、置換量に対して単調にTcは減少した。XPSでの測定結果Coは3価であり、UPSの結果からフェルミレベルの状態密度は置換により減少したので、ホ-ルは減少したことを示している。従って、最適ホ-ル量になるはずであるが、Tcの上昇はみられなかった。このことはCuサイトを3価イオンで置換しても最適ホ-ル量とならないことを意味している。上記の最適ホ-ル量はBiーO層からの脱酸素によっても達成できるとされているので、CuサイトをCoで置換した試料を真空アニ-ルして、Tcの変化を調べた。この処理によりどのCo置換量の試料においてもTcは上昇した。これらの結果から、CuーO層とBiーO層の働きは異なり、互いに独立にTcに寄与していると考えられる。 Bi_2Sr_2CuO_yはTc〜4Kといわれているが、BiサイトにPb、SrサイトにLaを同時に置換するか、SrサイトにLaのみを置換するかにより、Tcはそれぞれ22K、18Kとなった。これらの試料を真空アニ-ルして、Tcの方化を調べた。前者では600Cアニ-ルで、34KにTcが上昇した。後者では30Kとなった。脱離した酸素量はほぼ2212相の場合と同じであり、この系においてもBiーO層からの脱酸素により最適ホ-ル量を達成することが明かとなった。しかし、BiサイトにPbのみを置換してもTcは上昇しなかった。
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[Publications] Y.Fukuda: "Electronic States of Core Levels and Valence Bands for KxC60 Studied by XーRayPhotoelectron Spectroscopy(XPS)" Physica C. 181. 320-324 (1991)
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[Publications] M.Nagoshi: "OxygenーLoss Effects on Superconductivity of Bi2Sr2CaCu2Oy System" Physical Review B. 43. 10445-10450 (1991)
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[Publications] N.Sanada: "Effects of Oxygen Loss from Biー2201 Phase Doped by Pb and La on Superconductivity" Physica C. 185ー189. 665-666 (1991)
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[Publications] M.Nagoshi: "Photoemission Study on BalーxKxBiO3ーd and BaPbxBilーx03ーd" Physica C. 185ー189. 1051-1052 (1991)
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[Publications] Y.Fukuda: "Effects of Substitution of Fe and Co for Cu in Bi2Sr2CaCu2Oy on Electronic Stated Studies by Photoemission" Physica C.
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[Publications] M.Nagoshi: "Electronic States of BaBiO3 and KーDoping Effects Studied by XーRay and UltraーViolet Photoemission" J.Physics : Condensed Matters.