1991 Fiscal Year Annual Research Report
〓性希土類イオンを探針とした高温超伝導酸化物の電子状態の評価
Project/Area Number |
03211225
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
関沢 和子 日本大学, 理工学部, 教授 (40059259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 武 日本大学, 理工学部, 教授 (40059340)
高野 良紀 日本大学, 理工学部, 専任講師 (30171466)
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Keywords | 高温超伝導酸化物 / 希土類イオン / 〓性 |
Research Abstract |
YBa_2Cu_3O_y型超伝導酸化物のYを〓性希土類イオンで置換した系における〓性希土類イオンの振舞いを調べることにより,周囲の電子状態を評価することを目的として,La_<1ーx>Nd_xBa_2Cu_3O_y,Y_<1ーx>Ho_xBa_2Cu_3O_yおよびLa_<1ーx>Pr_xBa_2Cu_3O_y系について〓性と超伝導特性の測定を行った。 La_<1ーx>Nd_xBa_2Cu_3O_yおよびY_<1ーx>Ha_xBa_2Cu_3O_yはXの全領域にわたって,超伝導転移温度Tcが90K級の超伝導を示す。La_<1ーx>Pr_x Ba_2Cu_3O_y系ではTcはXとともに急激に減少しX20.4で系は半導体となる。このTcの減少率はY_<1ーx>Pr_xBa_2Cu_3O_y系のそれより大きい。 希土類イオン1ケ当りの帯〓率は大きな結晶場の効果を示すが,軽希土類イオンの場合の方が自由イオンからのずれが著しい。帯〓率の計算値との比較から,Hoイオンは結晶場の効果以外は周囲から孤立しているが,Naイオンは周囲の変化を影響を受けやすくCuO_2面の電子と相互作用を生じる直前にあり,PrイオンではCuO_2面を介しPrイオン間に-30K程区の交換相互作用が生じていることが推論される. 希土類イオンの系例では,4f軌道は原子番号の増加とともに安定化され,その拡がりも減少する。123型酸化物中4f電子を有する最初のイオンであるPrイオンでは,4f電子はエネルギ-的に不安定であり空間的拡がりも大きいため,CuO_2面の価電子と混成をおこし,そのためCuO_2面のホ-ルの局在が起こり更に超伝導が抑制されると考えられる。 LaBa_2Cu_3O_y,PrBa_2Cu_3O_yのXPS実験を行い,スペクトルを比較した結果Pr4F電子の状態密度は価電子帯と完全に重なり,フェルミ準位まで拡がっていることが示された。 希土類イオンでは123型酸化物中においても,その4f軌道のエネルギ-,拡がりともに原子番号に対し連続的に変化していると考えられるがNaとPrの間でCuO_2面との混成が急激に生ずることは注目に値する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kazuko Sekizawa: "Superconductivity and Magnetism in La_<1ーx>Pr_xBa_2Cu_3O_y" Physica C. 185ー189. 1273-1274 (1991)
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[Publications] Masamichi Chiba: "The Magnetic Stability of FaceーCooled Composit Tape Superconductors" IEEEE Transaction on Magnetics. 27. 1656-1659 (1991)
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[Publications] Kazuko Sekizawa: "Paramagnetic Properties of Rare Earth Ions in La_<1ーx>Nd_xBa_2Cu_3O_y and Y_<1ーx>R_xBa_2Cu_3O_Y(R=Gd and Ho)" Journal of Magnetism and Magnetic Materials. (1992)