地球観測情報の高次処理に関する研究

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 03212101
• Research Institution: Iwate University
• Principal Investigator: 横山 隆三 岩手大学, 工学部, 教授 (60005395)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 川田 剛之 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70104768) ; 坂内 正夫 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30107370) ; 松山 隆司 岡山大学, 工学部, 教授 (10109035) ; 下田 陽久 東海大学, 情報技術センター, 教授 (20056245) ; 高木 幹雄 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30013113)
• Keywords: 衛星遠隔計測 / 流出モデル / 統合解析処理 / 知識ベ-ス処理 / デ-タベ-ス / パタ-ン分類 / 地理情報処理 / 地形効果補正

Research Abstract

本課題は衛星による地球観測デ-タに対して、(1)知識ベ-スなど各種人工知能的手法を適用した統合的デ-タ解析手法の開発、(2)観察対象の分光、空間及び時間情報に基づく環境現象のモデル化及びシミュレ-ション手法の開発、(3)多様な利用目的及び莫大なデ-タ量を効果的に取扱うためのデ-タベ-ス及び情報利用システム手法の開発、を目的として実施したもので、本年度は3カ年の研究期間の最終年度にあたる。
デ-タ解析に関しては、下田、松山、藤村、坂内等があたり、衛星デ-タをもとに地表被覆物の種類判別や地理情報を含めた統合的解析システムに関して、分光情報のみならず空間情報、多時期情報、地理情報、Dempster&Shaferの判定基準を導したアルゴリズムを提案して、システムの開発及び事例解析による評価を行った。環境現象のモデル化及びシミュレ-ション手法に関しては、横山、川田、吉田らがあたり、降水流出モデル時空間記述モデル化手法、モンテカルロ法による地形起伏効果のシミュレ-ション手法、レ-ダ高度計デ-タを参照した地形情報判読手法の開発及び評価実験を行った。デ-タベ-スに関しては、高木、日下があたり、NOAA衛星のAVHRR利用におけるデ-タ圧縮及び補正、海洋、気象情報の自動抽出システム手法の開発、陸域情報の自動認識管理システムなどの開発を行った。
以上の成果は、リモ-トセンシングデ-タが持っている空間、分光、時系列性の特徴を十分に利用したものであり、従来の手法に比べてより詳細で効率的処理が行えること、また取扱うデ-タ量の増大についても情報処理技術の進歩を前提として十分実施可能であるとの評価を得るにいたった。

Research Products

• [Publications] 羅 小波,横山 隆三: "メッシュ型流出モデルの開発" 第30回計測自動制御学会学術講演会予稿集. 207-208 (1991)
• [Publications] 周 長明/高木 幹雄: "ピ-ク検出に基づいた最適的ヒストグラム分割法とその閾値選択への応用" テレビジョン学会誌. 45. 1179-1189 (1991)
• [Publications] 洪 善杓,福江 潔也,下田 陽久,坂田 俊文: "空間的情報を用いた分類におけるニュ-ラルネットワ-クの検討II" 日本写真測量学会平成3年度秋季学術講演会論文集. 62-72 (1991)
• [Publications] 浅田,松山,望月: "多重絞りカラ-画像の解析" 情報処理学会論文誌. 32. 1138-1348 (1991)
• [Publications] 坂内,佐藤: "画像デ-タベ-スにおけるモデル形成" 信学論. 8. 455-466 (1991)
• [Publications] 川田,大谷,日下: "山岳画像デ-タに対する解析的大気・地形効果の補正法" 計測自動制御学会論文集. 27. 386-393 (1991)
• [Publications] 高木 幹雄,下田 陽久監修: "画像解析ハンドブック" 東京大学出版会, 193 (1991)