1991 Fiscal Year Annual Research Report
衛星による地球環境の変動解明ー気圏・地圏との相互作用
Project/Area Number |
03212103
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村井 俊治 東京大学, 生産技術研究所・第5部, 教授 (10013179)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山路 永司 東京大学, 農学部, 助教授 (10143405)
松本 淳 東京大学, 理学部・地理学教室, 助手 (80165894)
藤原 一繪 横浜国立大学, 環境科学研究センター, 助教授 (80018043)
竹内 邦良 山梨大学, 工学部, 教授 (50016672)
久保 幸夫 慶応大学, 環境情報学部, 助教授 (40107694)
|
Keywords | 地球生物環境 / グロ-バル植生指標 / 生態気候学 / NOAA GVIデ-タ |
Research Abstract |
平成3年度の研究で得られた成果は以下のとおりである。 (1)地球の生物環境を表わす指標として,現存植生と潜在植生(人間活動の影響を受けていないと仮定した植生状態)との差を取り、これをエコクライメ-トマップ(生態気候図)として出力した。植物生態学の立場から現地調査を踏まえてエコクライメ-トマップの持つ意味を検証した。 (2)NOAAのグロ-バル植生指標デ-タ(GVI)と海面温度との関連については,明暸な相関は見られなかったが,ハワイのマウナロアにおける炭酸ガスの変動に関してはわずか7年間のデ-タしか利用できないにもかかわらず,ー0.7と高い逆相関にあることがわかった。 (3)地球の殻物生産可能性を試作し,将来どのくらいの人口収容力があるかを試作した。ただしこれ以上森林の機採を許さない仮定をたて現在の草地は農地に変換しうるという条件のもとで,約73億人が収容できるとの解を得た。現在52億人の人口であるので,数10年で限界に近づくと警告できることがわかった。 (4)オゾンの空間的分布に関するデ-タ処理を行い,オゾンマップの作成を行なった。 (5)NOAAのGVIデ-タと降雨デ-タまたは気温デ-タとの相関分析を行った結果,年雨量が1200ミリ以下の低雨量地帯,半乾燥および乾燥地帯においては,GVIデ-タから年雨量を推定しうることが明らかになった。 (6)研究を通じて得られたグロ-バルデ-タセットについては,統一した地図規格でグロ-バル地球環境地図を作成する準備を完了した。
|
-
[Publications] 本多 嘉明,村井 俊治: "世界植生を基準とした人間活動評価について" 日本写真測量学会秋季学術講演会論文集. 1-6 (1991)
-
[Publications] 堀口 郁夫,谷 宏,楊 桂清: "リモ-トセンシングデ-タによる気温の推定" 日本リモ-トセンシング学会誌. 10ー2. 51-59 (1990)
-
[Publications] 竹内 邦良,海老沢,池本: "全球的降雨監視のための降雨量推定式の作成ーチャオプラヤ川流域での同定ー" 水文.水資源学会誌. 5ー2. (1992)
-
[Publications] 田村 俊和,八木 久義,武内 和彦,岩崎 一孝: "カラハリ砂層分布域東縁部におけるウッドランド環境の成立" アフリカ研究. 38. 33-53 (1991)
-
[Publications] 松崎 章好: "成層圏オゾンの北半球低緯度の1984年4月における分布" 日本化学会誌 論文特集「地球環境および地域環境と化学」. 1991. 777-785 (1991)
-
[Publications] 三上 岳彦: "小期ー気候の数百年変動" 科学. 61. 681-688 (1991)
-
[Publications] 廣田 勇: "グロ-バル気象学" 東京大学出版会, 160 (1992)
-
[Publications] 坂田 俊文 他: "地球環境工学ハンドブック" オ-ム社, 1372 (1991)