1991 Fiscal Year Annual Research Report
SiCウィスカ-分散Si_3N_4複合セラミックスの強度と焼結助剤との関係
Project/Area Number |
03213207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 宏爾 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30011109)
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Keywords | Si_3N_4 / SiCウィスカ- / 焼結助剤 / 破壊靭性 / ホットプレス法 / 希土類系酸化物 |
Research Abstract |
Si_3N_4強靭化の一方法としてSiCウィスカ-(SiC(w)と略記)分散法が試みられている。SiC(w)添加効果を最大に発揮させるためには、焼結助剤の種類や量などの系統的な研究を行う必要があるが、従来、関連研究はなかった。本研究では、著者らの従来得た知見を基に高靭性SiC(w)/Si_3N_4複合セラミックスを得るのに適した焼結助剤を新たに探索するための効率的方法、すなわち、高価なSiC(w)と運転経費が高いホットプレス法を出来るだけ用いないで済む方法を提示しようとした。 従来、焼結助剤としてあまり検討されていなかった希土類系酸化物(計9種)を選び、まずSiC(w)無添加Si_3N_4セラミックスについて、針状Si_3N_4粒度に及ぼす焼結助剤種の影響を調べ、次に、主な希土類系酸化物(4種)を添加したSiC(w)/Si_3N_4複合セラミックスの破壊靭性をマトリックスのSi_3N_4粒度との関連で調べた。その結果、SiC(w)無添加Si_3N_4常圧焼結体のβ‐Si_3N_4針状粒の平均粒度は、一般にY_2O_3>Er_2O_3【similar or equal】Dy_2O_3>Pr_2O_3【similar or equal】Gd_2O_3>Tb_4O_7>Nd_2O_3>MgO>Eu_2O_3系となり、Y_2O_3、Er_2O_3系などで大きく、Nd_2O_3、Eu_2O_3系などでは小となった。そして、SiC(w)添加Si_3N_4複合セラミックスのSi_3N_4粒度はSiC(w)無添加のものとほぼ等しく、破壊靭性は、β‐Si_3N_4粒度が大であったY_2O_3とEr_2O_3系ではそれぞれ6.6、6.4MPam^<1/2>であり、粒度が小であったEu_2O_3、Nd_2O_3系の5.6、5.0MPa^<1/2>に比べ高くなった。 以上の結果より、SiC(w)添加Si_3N_4複合セラミックスの破壊靭性を向上させるためには、SiC(w)無添加Si_3N_4セラミックスと同様、β‐Si_3N_4の針状組織を発達させることが重要であること、焼結助剤としては、従来よく知られているY_2O_3系の他に、Er_2O_3系も有効であると考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 趙 源丞,林 宏爾: "SiCウィスカ-/Si_3N_4複合セラミックスの機械的性質に及ぼす焼結助剤量とウィスカ-量の影響" 粉体および粉末冶金. 38. 34-40 (1991)
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[Publications] K.Hayashi and W.S.Cho: "Effect of Content and Kind of Sintering Aid on Mechanical Properties of SiC Whisker/Si_3N_4 Ceramic Composites" Journal of Hard Materials. 3. (1992)
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[Publications] 趙 源丞,林 宏爾: "SiCウィスカ-/Si_3N_4複合セラミックスのSi_3N_4粒度と破壊靭性に及ぼす希土類系酸化物焼結助剤種の影響" 日本セラミックス協会誌. 100. (1992)