1991 Fiscal Year Annual Research Report
脆性材料のき裂パタ-ン及び破壊の様相の計算機シミュレ-ションによる研究
Project/Area Number |
03213217
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
嶋村 修二 山口大学, 工学部, 助教授 (40144919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 憲 山口大学, 工学部, 助教授 (10116717)
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Keywords | 脆性材料 / き裂 / 破壊 / 計算機シミュレ-ション / 熱衝撃 / き裂パタ-ン / ひずみエネルギ- |
Research Abstract |
本研究では,計算機シミュレ-ションによって,熱衝撃を受けた脆性材料の亀裂パタ-ンと材料特性,熱衝撃条件との相関関係を明らかにすることを目的とした.そのため、熱衝撃破壊をひずみエネルギ-の蓄積,解放,移動の一連の過程としてモデル化した.モデルを立方格子と三角柱格子のシステムに適用し,亀裂成長のモンテカルロ・シミュレ-ションを行い,表面および内部への亀裂成長を追究した,特に,亀裂発生のためのひずみエネルギ-のしきい値(亀裂発生抵抗)をEt,熱衝撃の程度を表す入力エネルギ-を△Eとして,これらの量が亀裂の様相にどのように影響するかを調べた.シミュレ-ションの結果は以下のようにまとめられる. 1.亀裂発生抵抗,Etの小さなシステムの表面には多くの細かい亀裂が生じ,Etの大きなシステムの表面には相対的に長い亀裂が走る. 2.熱衝撃温度差の大きな状況に対応する△Eの大きなシステムほど,表面上の亀裂が細かくなり,亀裂の空間的な偏りが目だつ. 3.Etが大きくなると,表面亀裂密度は減少し,内部への亀裂の浸透は深くなる.他方,△Eが大きくなると,表面亀裂密度は増加し,内部への亀裂の浸透は浅くなる. 4.モデル・システムの示す上記の亀裂の様相は,報告されている熱衝撃実験の亀裂の特徴に合致する. 本研究のモデル・シミュレ-ションは,熱衝撃を受ける材料の粒界強度,熱衝撃温度差などが亀裂パタ-ンにどのように反映するかを明らかにしており,脆性材料の熱衝撃破壊の様相を予測あるいは評価する上で,有用であると考える.
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[Publications] S.Shimamura: "Crack Patterns and Strain Energy Distributions in Model Brittle Systems in a Random Environment" J.Mater.Sci.26. 6027-6034 (1991)
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[Publications] 外池 泰彦: "き裂模様の評価のためのモンテカルロ・シミュレ-ションー三角格子モデルー" 材料. 40. 1264-1269 (1991)
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[Publications] S.Shimamura: "Computer Modeling of Thermal Shock‐Induced Crack Growth in Brittle Materials" J.Mater.Res.7. (1992)