1991 Fiscal Year Annual Research Report
靜・動的荷重を受ける表面研削したセラミックスのき裂先端に着目した強度評価法
Project/Area Number |
03213219
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
浦部 和順 龍谷大学, 理工学部, 教授 (50016383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 尚武 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (80213776)
堀川 武 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (30209291)
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Keywords | アルミナセラミックス / 疲労強度 / アルミナ結晶粒 / TEM観察 / FRASTA解析 / 3点曲げ疲労 / 転位 / モザイク |
Research Abstract |
セラミックスの強度は表面層の微視的構造に依存することが知られている。これまでに、主として実用的な観点から表面粗さと強度の関係についてマクロな立場の研究が多く、研削砥石の砥粒によって発生する極微細なき裂や表面性状については十分に観察されているとは言い難い。 本研究では研削加工を行なったアルミナセラミックスの表面観察結果から研削表面の微視的性状を明らかにし、き裂の進展状況をFRASTA手法による破壊面の三次元解析を行なって、破壊起点の微視的構造と破壊の伝播過程の観点から調べた。さらに疲労試験を行なった。 その結果、本実験の範囲で次の結論を得ることができた。 1)研削砥粒によって形成された表面はアルミナ結晶粒の粒界破壊と粒内破壊により形成されている。 2)粒内破壊によって形成された部分には内部方向に進展した微細なき裂が観察される結晶粒があり、研削表面直下の結晶格子の高倍率TEM観察結果から研削表面の結晶粒は一様にひずんでいるのではなくモザイク的になっていることが分かった。 4)#800番で研削された試験片の表面をダイヤモンドペ-ストで研磨すると疲労限度は高くなり、研磨の効果が認められた。 5)破面のFRASTA解析の結果によると、破壊の起点は引張り側表面近傍で発生した後、反対側の表面に向かって進行し、その途中では部分的に放射状に進行している。この先進的なき裂進行部分の大きさは結晶粒よりかなり大きい。 6)破面な比較的平坦であるが、微視的な凹凸も見られ、微視的構造がき裂の進行に影響していることが推測される。 7)セラミックスのような脆性材料でも破壊の進行に伴って微量な塑性変形が存在し、FRASTA解析手法により破壊過程をシミュレ-トできることが明かとなった。
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Research Products
(1 results)