1991 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル発生機能分子と包接タンパク複合系の構造と機能
Project/Area Number |
03215206
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平間 正博 東北大学, 理学部, 教授 (30165203)
|
Keywords | ネオカルジノスタチン / アポタンパク / クロモフォア / 複合体 / ジスタンスジェオメトリ-法 / 2DNMR / コンピュ-タ-モデリング / 高次構造 |
Research Abstract |
1.ネオカルジノスタチン(NCS)複合体をプロトン2DNMR(COSY,HOHAHA,NOESY)を用いて解析した。クロモフォアとアポタンパクの間のNOEから、ジスタンスジェオメトリ-法により両者の結合部位とその粗い構造を求めた。その結果、(1)アポタンパクは揺りかご状の三次構造を持ち、4本のβストランドからなる疎水性ポケット(βシ-ト)の中にクロモフォアがエポキサイド側を下にして会合している。この点ではコンピュ-タ-モデリングの結果と同じであるが、クロモフォアのコア部分の向きは、前後が完全に逆であることが分かった。(2)しかも、疎水性のポケットの底に位置しているのはナフトエ-ト部位であり、Trp39やPhe52とπスタッキングできる位置にはないが、近接している。edge‐to‐face型の相互作用があるように見える。両者の結合に一番重要な部位がナフトエ-トであることを示している。(3)親水性のアミノ糖とカルボネ-トは、ポケットの入り口に位置している。アミノ酸のNーメチル基(アンモニウム塩)は、自らコア-の12位を遮蔽する立体配座にあり、求核攻撃から守る役割を担っている。(4)さらに、NーメチルとAla101やGly102との間にNOEが見えて来たので、その近辺のル-プ構造はN-メチル側に析れ曲がってクロモフォアを押え込んでいる可能性がある。その変化にはAsp99との間のイオン結合が寄与していると考えられる。 2.クロモフォアのナフトエ-トおよびN-メチルフコサミン部を合成し、シクロぺンタンジオ-ルに結合させた。それらモデル化合物とアポタンパクとの結合定数を求めた結果、アポタンパクとの特異的結合の鍵を握るのはナフトエ-ト部位であることが明らかとなった。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Masaji Ishiguro: "Modeling Study of the Structure of the Macromolecular Antituwoc Neocarzinostatin.Origin of the Stabilizition of the Chromophore" Journal of Medicinal Chemistry. 34. 2366-2373 (1991)
-
[Publications] Toshiyuki Tanaka: "Proton NMR Studies on the Chromophore Binding Sructure in Neocarzinostatin Complex" Tetrabedron Letters. 32. 3175-3178 (1991)
-
[Publications] Kenshu Fujiwara: "Enyne[3]cunwlene.Synthesis and Mode of Aromatization" Journal of Organic chemistry.56. 1688-1689 (1991)
-
[Publications] Masahiro Hirama: "Synthesis and Cycloaromatization of a Neocarzinostatin Chromophore Analogue Equipped with an Intramolecular Nucleophile" SYNLETT. 651-653 (1991)
-
[Publications] Masahiro Hirama: "Synthesis and DNA‐Cleaving Abilities of Functional Neocarzinostatin Chromopbore Analogues.Base Discrimination by a Simple Alcohol" Journal of American Chemical Society. 113. 9851-9853 (1991)
-
[Publications] 平間 正博: "ネオカルジノスタチン様人工分子の設計と合成" 有機合成化学協会誌. 49. 1032-1042 (1991)