1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03215221
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
園田 昇 大阪大学, 工学部, 教授 (20083983)
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Keywords | ジスルフィド / ジエン / オレフィン / ジセレニド / チオセレノ化 |
Research Abstract |
光照射下ジスルフィド、ジセレニドがホモリティクに開裂し、チイルラジカルおよびセレノラジカルを与えることはかなり以前から知られている。しかしながら、このようにして生成させたチイルラジカルおよびセレノラジカルがオレフィン類に効率良く付加した例は知られていない。本研究では、ジスルフィド、ジセレニドのラジカル反応における速度論問な考察に基づき、ジスルフィド-ジセレニド複合系を用いることにより、オレフィン類への付加が効率良く進行し、チオセレノ化物が良好な収率で生成することを見いだした。得られた結果をまとめると次のようになる。(1)ジスルフィド、ジセレニド単独では進行しにくいオレフィンへの付加反応が、ジスルフィドージセレニド複合系を用いることにより、極めて効果的に進行することを明らかとした。(2)末端オレフィンでは電子吸引基、供与基いずれを有する場合にも付加は効率良く進行し、位置選択的に末端にチオ基、内部にセレノ基が結合した生成物が単一生成物として良好な収率で得られた。(3)内部アセチレンであるシクロペンテン、シクロヘキセンへの付加は、立体選択的に進行し、トランス体のチオセレノ化物を良い収率で与えた。(4)基質として1,3ージエンを用いた場合、ジスルフィド単独系では、ジエンのオリゴメリゼ-ションなどの副反応が優先し、ジセレニド単独系では、ほとんど付加は進行しない。この系にジスルフィドージセレニド複合系を適用したところ、ジエンのチオセレノ化が効率良く進行し、1,4ー付加体が高収率で得られることが明らかとなった。(5)チオセレノ化物がアリルセレニド構造を有することに着目し、ジスルフィドとの反応により、熱力学的により安定なジチオ化物へ変換可能なことを示すとともに、これに基づき、ジスルフィドの1,3ージエンへの付加が、ジセレニドを触媒として進行することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 園田 昇: "Highly Selective Thioselenation of Olefins llsing DisulfideーDiselemide Mixed System" J.Org.Chem.57. 111-115 (1992)
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[Publications] 園田 昇: "Diphenyl DiselenideーPromoted Radical Addition of Benzeneselenol to Acetylenes" Tetrahedron Lett.,.