1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03215223
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤原 祐三 広島大学, 工学部, 教授 (10029481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 謙 広島大学, 工学部, 助手 (80116615)
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Keywords | 希土類金属反応剤 / アミノ酸合成 / イッテルビウム / 二酸化炭素(CO_2) / イミン / 極性変換 / 三塩化ランタノイド / α,βー不飽和ケトン |
Research Abstract |
本重点領域研究では希土類金属反応剤の開発を目的として検討を進めてきたが,本年度は(1)イッテルビウム金属(Yb)によるイミン類の極性変換を経るアミノ酸の新規合成反応および(2)三塩化ランタノイド(LnCl_3)/Zn系によるα,βー不飽和カルボニル化合物の立体選択的環化二量化反応を新に開発することに成功した。 1.イッテルビウム金属(Yb)によるイミンとCO_2よりαーアミノ酸の合成 ジフェニルメチレンアニリンのようなアリ-ルイミンはYb金属と反応させることによりケチミンでは還元生成物のアミンが,またアルジミンでま二量化生成物の1,2ージアミノエタンが選択的に得られることは既に報告したが,アリ-ルイミンとYb金属をTHF/HMPA中室温で反応させるとアザメタラサイクル中間体が生成し,イミン炭素が求核性に極性変換されることを見い出した。この中間体にCO_2を反応させるとαーアミノ酸のYb塩基が結晶として高収率で得られ,さらにこのYb塩を希塩酸で処理すると,相当するαーアミノ酸がほぼ定量的に得られた。また,DIOPなどのキラルな配位子を共存させると光学治性アミノ酸が合成できることも見い出した。以上の反応はYb金属によるイミンとCO_2より直接αーアミノ酸を合成する最初の例である。 2.LnCl_3/Zn系によるカルコンの立体選択的還化二量化反応 α,βー不飽和ケトンをYbと反応させるとYbから一電子移動が起こり,ラジカルエノラ-トを生成し,これがさらに一分子のケトンと還化体加をしてシクロペンタノ-ル誘導体を与えることは既に報告したが,希土類金属の三塩化物(LnCl_3)をZnで還元して伯酸化状態のLnイオン種を発生させると同様な還化反応が進行することが明らかになった。PmCl_3を除く全てのLnCl_3を用いて反応を検討した結果,f^<14>となるYb^<2+>,f^7又はf^6となるEu^<2+>,Sm^<2+>の場合に収率および生成物の選択性が高くなることがわかった。
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[Publications] Ken Takaki: "Reaction of Benzophenone with Alkylー,Acylー,and Silylーhalides Promoted by Ytterbium Metal" Chem.Express. 6. 57-60 (1991)
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[Publications] Ken Takaki: "Trichlorolanthanoid (LnCL_3)/Zn Catalyzed Cyclodimerization of Chalcone" Chem.Lett. 1665-1668 (1991)
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[Publications] Ken Takaki: "Reductive Coupling of 2ーPropynー1ーones Promoted by Yb Metal or YbCl_3ーZn" Chem.Lett.1669-1672 (1991)
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[Publications] Ken Takaki: "Ytterbium MetalーPromoted reaction of Ketimines with Carbon Dioxide" Chem.Lett.493-494 (1991)
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[Publications] Ken Takaki: "Reaction of chalcone Derivatives with Aromatic Aldehydes Promoted by Ytterbium metal" Chem.Lett.(1992)
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[Publications] 藤原 祐三: "実験化学講座18,有機金属錯体「3族有機金属錯体の合成」" 丸善株式会社, 32-40 (1991)