1991 Fiscal Year Annual Research Report
光検知サイクロトロン共鳴による結晶界面の基礎物性の研究
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03216210
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大山 忠司 大阪大学, 教養部, 教授 (40029715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堀 裕巳 大阪大学, 教養部, 助手 (90202069)
藤井 研一 大阪大学, 教養部, 助手 (10189988)
中田 博保 大阪大学, 教養部, 助教授 (60116069)
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Keywords | 光検知サイクロトロン共鳴 / シリサイド / ショットキー障壁 / IーV特性 / 多孔質シリコン / フォトルミネッセンス / 界面量子効果 |
Research Abstract |
今年度は次のような界面を含む系に取り組んだ。 1)Nisi_2/Si系の輸送現象の解析と界面近傍の電子のサイクロトロン共鳴 2)多孔質Siにおける可視光域フォトルミネッセンス 1)ニッケル・シリサイドの輸送現象とサイクロトロン共鳴 ニッケル・シリサイドのDC輸送現象で観測された200K近傍の“anomaly"の原因を解明するために、基板のシリコンの不純物濃度や基板の厚さを変化させて,抵抗の温度変化を測定した。異常の観測される試料の基板のSiの厚さを半分にして、基板の抵抗を大きくすると“anomaly"の度合いが半減することが確認された。 これらの実験結果から、NiSi_2/Si系のDC輸送現象で観測される異常は、シリサイドと半導体の両層による平行伝導に起因する可能性が高い。そこで平行伝導に関するショットキー障壁の効果を求めるために、縦方向の抵抗の温度変化を測定した。 IーV特性から求めた障壁の高さφ=0.35eVを用いて、平行伝導の温度依存性および基板の抵抗値依存性に関するシミュレ-ションを行い、実験結果をよく再現できることが判明した。また、NiSi_2/Si系の界面の電子移動度に及ぼす影響を調べるために選択的な励起の下でのサイクロトロン共鳴の実験を行った。 2)多孔質Siからの可視光域フォトルミネッセンス 陽極化成法で作製した多孔質SiをHeーCdレ-ザ-で励起してフォトミネッセンスの試料作製条件依存性および温度依存性を観測した。室温では赤色、77Kでは橙色の可視発光が観測された。発光の機構はまだ明かではないが、細い柱状の結晶内に閉じ込められた電子系の量子効果や、界面に結合した水素原子の関与する発光の可能性が高い。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Tomaru: "Enhancement of harmonics for optically detected lightー and heavyーhole cyclotron resonance in germanium" Physical Review. B44. 10622-10632 (1991)
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[Publications] T.Tomaru: "Optically detected cyclotron resonance in Ge and Si ーExchange interaction in impact dissociationー" Applied Magnetic Resonance. 2. 379-395 (1991)
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[Publications] T.Tomaru: "Wave number distribution of hot holes under the cyclotron resonance codition" Proc.7th conf.hot carriers semicond.,(Nara,1991).
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[Publications] T.Ohyama: "Microwave Study of Electron Scattering by Isolated Interstitial Oxygen Complex in Silicon" Japanese Journal of Applied Physics.