1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03223104
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
香川 浩 日本医科大学, 医学部, 助教授 (70103968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 喜則 麻布大学, 教養部, 助教授 (10167554)
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Keywords | 筋収縮 / 滑り運動 / ミオシン / アクチン / 相互作用 / 分子間力測定 / ファンデルワ-ルス力 / ひずみゲ-ジ |
Research Abstract |
筋収縮などの滑り運動をひきおこすミオシン分子とアクチン分子の相互作用力の性質を,その力の大きさの距離依存性を測定することによって,研究することを考えた。研究の方法は実験計測を主体にし,分子間力の観点からの理論的アプロ-チを実験の補助手段として用いた。 ミオシンとアクチンとの滑り力は柳田ら,豊島ら,茶圓らによって測られているが,ミオシンとアクチンの間にどのような力が働いているかの詳細はわかっていない。その相互作用を調べるには,いろいろな方向での距離依存性を測る必要があると思われる。そこで,われわれはまず最初に,古くから行われている分子間力の測定法を用いることにより,滑り方向と垂直な方向の距離依存性を測ることにした。測定法にはいろいろあるが,われわれは現在発達しているピエゾやひずみゲ-ジの技術を利用することにした。 向かい合った2枚の平面,球面あるいは円筒面状の石英板,ガラス板あるいは雲母板があり,片方の表面にミオシンを,もう一方の表面にアクチンをコ-トして,系全体を溶液に浸す。距離の粗調整はマイクロメ-タで,微調整はピエゾアクチュエ-タで行われる。片側の板は板バネを介して溶液槽に固定されている。板バネにはひずみゲ-ジが張り付けられていて板バネの曲がりに比例したひずみ計の出力が得られる。 力の距離依存性を知るには力と距離の同時測定が必要であるが,力はバネの曲がりに比例するひずみゲ-ジの出力から求め,距離変化は予備的実験としてZステ-ジのマイクロメ-タとピエゾの変位量にバネの曲がりを加えた間接的な方法で求めた。将来的には光干渉による精度の高い距離測定が必要となるであろう。 ミオシンーアクチン相互作用の予備的な実験を行ったが,まだ感度,精度が低いが,この装置で測定できる見通しがついた。
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Research Products
(1 results)