1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03223207
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤目 杉江 名古屋大学, 理学部, 助手 (60022662)
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Keywords | アクチン / ミオシン / 車軸藻モ-タ-蛋白質 / 原形質流動 / 滑り運動 / トロポミオシン / カルデスモン |
Research Abstract |
滑り運動とカップルしたアクチン線維の構造変化を捕らえる事を目的として本研究を行った。 アクチン線維を滑らせるモ-タ-蛋白質ミオシンは、種、組織、細胞等に依りその性質を異にする。平滑筋ミオシンにおいては、軽鎖リン酸化が運動発現に必須うである事を示した。平滑筋構成蛋白質カルデスモンは、アクチン線維に結合し、アクトミオシンATPア-ゼ活性を抑制する。しかし、in vitro運動観察の過程で、低濃度カルデスモンは、むしろ滑り運動を活性化し速度を速める事を見いだした。 粘菌にもカルデスモン様蛋白質の存在を見つけ、同様に低濃度でアクトミオシンATPア-ゼ活性、滑り運動を活性化し、高濃度で抑制する。未だ生理的役割は明かでないが、アクチン線維にリンクした調節蛋白質であり、細胞運動のメカニ ズムを考える上で重要である。 車軸藻における原形質流動を担うモ-タ-蛋白質は、in vitro運動法により筋肉由来アクチン線維を用いる事によりアッセイ出来る事を示した。このモ-タ-蛋白質は約60um/s,筋肉ミオシンの10倍の速度でアクチン線維を滑らせる。車軸藻モ-タ-蛋白質ーー車軸藻ミオシンーーは滑り速度に見合って、筋肉アクトミオシンの10倍の高いATPア-ゼ活性を示すであろうか。ミオシン頭部首振りによる滑り運動の分子メカニズムのモデルの検証に格好の試料と言える。更に、このモ-タ-蛋白質は筋肉ミオシンでは殆ど滑らせることの出来ないプロテア-ゼ(proteinase K,subtilisin)消化アクチンも、未消化アクチンと同様の速度で滑らせることを見いだした。この事実は、車軸藻モ-タ-蛋白質はアクチン結合部位を、筋肉ミオシンとは全く異にし、異なった分子メカニズムで化学エネルギ-を滑り運動のエネルギ-へ変換していることを示唆する。如何なる分子メカニズムに依っているのであろうか。何れにせよ、この車軸藻ミオシンの単離精製が急務である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] HigashiーFujime,S.: "Reconstitution of active movement in vitro based on the actinーmyosin interaction." Int.Rev.Cytol.125. 95-138 (1991)
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[Publications] Ishikawa,R.;Okagaki,T.;HigashiーFujime,S.;Kohama,K.: "Stimulation of the interaction between actin and myosin by Physarum caldesmonーlike protein and smooth muscle caldesmon." J.Biol.Chem.266. 21784-21790 (1991)
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[Publications] Okagaki,T.HigashiーFujime,S.Ishikawa,R.TakanoーOhmuro,Kohama,K.: "In vitro movement of actin filaments on gizzard smooth muscle mysin:Requirement of phosphorylation of myosin light chain and effects of tropomyosin and caldesmon." J.Biochem.109. 858-866 (1991)
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[Publications] HigashiーFujime,S.Hozumi,T.: "Muscle actin cleaved by proteinase K:Its polymerization and in vitro motility."