1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03227105
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
柳町 晴美 信州大学, 経済学部, 講師 (60174554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 卓 農業環境技術研究所, 環境管理部, 科学技術特別研究員
松本 淳 東京大学, 理学部, 助手 (80165894)
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Keywords | 積雪深 / 積雪量 / デ-タベ-ス |
Research Abstract |
本年度は昨年度からデ-タベ-ス化を進めつつある積雪デ-タを引続き収集・整備し、日積雪深表示用システムを作成するとともに、積雪デ-タを気候学的に解析し、変動傾向について次の知見を得た。 1.37年間(1954〜1990年)、129地点の冬季降雪量の変動傾向は4タイプに分類できる。すなわち、北海道型(15地点)、日本海型(32地点)、太平洋型(11地点)、少降雪型(68地点)である。北海道ではほぼ全域が北海道型に属し同じ変動傾向を示す。本州は鈴木(1962)による気候区分とほぼ一致し、鈴木による裏日本気候区と準裏日本気候区が日本海型に、表日本気候区が太平洋型と少降雪型にそれぞれ相当する。日本海型は1950年代後半と80年代末の少降雪、60年代後半と80年代半ばの多降雪が特徴的である。80年代半ばの多降雪傾向は太平洋型でも顕著である。80年代末の少降雪は北海道型と太平洋型にも認められ、全国的に少降雪であった。 2.菅平(長野県)における日積雪深の季節変化過程の差異から35年間(1955〜1989年)を3タイプに分類できる。非常に積雪深が大きい時期が長期に渡って続く顕著な多雪年型(3冬)、積雪深のピ-クが顕著に見られたり、寒候期を通じて多雪な時期が継続する多雪年型(10冬)、さらに、寒候期を通じて積雪深が小さいままで推移する少雪年型(22冬)である。積雪深の季節変化からみると1960年代には多雪年が多く出現したが、1970年代、1980年代には少雪年が多くなったといえる。 3.1980年代末は冬季降雪量は全国的に少なく積雪深の状況と一致するが、1980年代半ばは、冬季降雪量は太平洋型、日本海型とも多い時期であったが積雪深からみると少雪年が多く、降雪量と積雪深の傾向は一致せず、変動傾向は必ずしも調和的ではない。 4.昨年度に引続き、グランドトル-スとして霧ケ峰における積雪域の現地調査を行い、積雪限界をチェックした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松本 淳: "LongーTerm variations of precipitation and snow depth in Japan" ENVIRONMENTAL CHANGE and GIS. Vol.2. 63-70 (1991)
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[Publications] 柳町 晴美: "冬季降雪量の変動傾向" 近代化による環境変化の地理情報システム 平成3年度 総合報告書(I). 1. 81-88 (1992)