1991 Fiscal Year Annual Research Report
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03227210
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松尾 容孝 鳥取大学, 教養部, 助教授 (20199764)
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Keywords | 近代化 / 景観 / 生態 / 地形図 / 国有林野 / 官林図 / 地理情報システム / 環境変化 |
Research Abstract |
第一点として、景観を指標に用いて、山村集落の生態変化を分析した。具体的には、5万分の1地形図から、集落(狭義=居屋敷)の形態分類、集落立地の地形分類、集落の垂直的標高幅、土地利用の地種別標高幅、集落間道路の規模と立地分類、を検討した。現在までに分析したのは、京都府美山町、奈良県川上村、鳥取県若桜町、徳島県東祖谷山村、熊本県五木村で、しかも明治後期(近代化の進展以前)のみである。当該町村は、農林省経済地帯別基準指標に基づいて昭和50年段階の「山村」に含まれているとともに、河川水源部を領域とする共通点をもつ。考察の結果、明瞭な地域差が明らかとなった。ただ、図幅ごとに測図者が異なるため、隣接図幅間で凡例使用上の断裂が生じることがある。今後、比較に耐えうる図幅の使用に留意し、類型化と地域区分を進める。 第二点として、明治期初頭以来の国有林野の変遷の地図入力について検討した。具体的には、官林台帳・官林図での各地筆や、国有林経営上の施業単位区域の、明治期初頭以来の継続性と垂直的統合関係について大阪営林局区域を主対象地として概観した。特に、鳥取県の官林図(因幡国分のみ。伯耆国分は残在していない)所載の地筆の現地形図中での位置を確定した。今後、その後の下渡しや買得筆での所在形態と区域、および経営管理に伴う施業区域の変遷に関する地図を作成するとともに、地理情報システム上の妥当な入力単位区域の決定にもこぎつける予定である。また、部落有林野や入会林野の変遷についても検討を加えたい。 なお、本年度成果の詳細は、『近代化による環境変化の地理情報システム 平成3年度総合報告書追加版』(西川治代表)を参照いただきたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 松尾 容孝: "近代化過程における鳥取県下の山村と林野利用の変遷" 『鳥取県の歴史的地域と地域群システムの通時的研究ー土地に関するデ-タベ-スの作成と分析を例としてー』(仮題). (1992)
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[Publications] 松尾 容孝: "山村の土地利用生態と景観類型" 人文地理.
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[Publications] 松尾 容孝(分担執筆ただし追加版): "近代化による環境変化の地理情報システム" 重点領域研究(101)「近代化による環境変化の地理情報システム」総括班代表者西川治, (1992)