1991 Fiscal Year Annual Research Report
高配位有機セレンおよびテルル化合物を活用する新規有機合成反応の開発
Project/Area Number |
03233214
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
植村 榮 京都大学, 工学部, 教授 (70027069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
年光 昭夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (60127107)
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Keywords | 超原子価テルル化合物 / 含テルル複素環 / オキシム合成 / ベンゼンテルロラ-ト / メタクロロ過安息〓〓 / 酸化反応 / アルキルフェニルセレニド / アルキルフェニルテルリド |
Research Abstract |
無機および有機のテルルアニオンが関与した有機化学反応について検討した結果,次の二つの反応について新しい知見を得た。一つはTe^<2->イオンを用いるhypervalent(超原子価)なテルルを有する環状テルリドの合成であり,もう一つはArTe^-イオンを触媒とするニトロアルカン,ニトロアルケン類の還元反応である。 まず,1,2ービス(クロロメチル)ー1,1,3,3ーテトラメチルジシロキサンとテルル化ナトリウムとの反応により,酸素と珪素とテルルを一つの環内に有する新規六員環状テルリド,2,2,6,6ーテトラメチルー1ーオキサー4ーテルラー2,6ージシラシクロヘキサンを合成した。そのジヨウ素体のX線構造解析に成功し,六員環は少し歪んだ舟形であること,テルル回りは擬八面体の6配位をとっており,hypervalent(超原子価)な性質をもっていることなどが明らかとなった。 次に,アルカリ性エタノ-ル中,触媒量のジアリ-ルジテルリド存在下,ニトロアルカンおよびニトロアルケンをNaBH_4で還元すると対応するオキシムが生成することを見出した。この反応のkey stepはArTe^-のニトロ基Nへの求核攻撃であり,まずニトロソ化合物が生成し,それが異性化して最終生成物を与えるものと結論した。 また,昨年度に続きアルキルフェニルセレニド,テルリドのmークロロ過安息否〓〓酸化によるPhSe基,PhTe基の求核置換反応の研究も行い,溶媒としてジメチルホルムアミドを用いることによりヒドロキシ基とホルミル基に収率よく置換できることを見出した。 以上の成果を平成3年7月大阪で開催された第6回SelTe化学国際会議で発表し,さらに平成4年3月大阪で開催予定の日本化学会春季年会でも発表する予定である。
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[Publications] Kouichi Ohe: "Sodium ArenetellurolateーCatalyzed Reduction of Nitroalkanes to Oximes" Heteroatom Chemistry. 2. 507-511 (1991)
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[Publications] A.Z.AlーRubaie: "New Cyclic Tellurides.Synthesis,Reaction and Ligand Properties of 2,2,6,6ーTetramethylー1ーoxaー4ーtelluraー2,6ーdisilacyclohexane(C_6H_<16>OSi_2Te)." J.Organometl.Chem.410. 309-320 (1991)
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[Publications] Sakae Uemura: "Styryl Coupling vs.Styryl Acetate Formation in Reactions of Styryl Tellurides with Palladium(II) Salts" J.Orgeanometal.Chem.423. C9-C12 (1992)
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[Publications] Naoki Komatsu: "The First Example of Asymmetric Selenoxide Elimination:Application to the Synthesis of Chiral Allenes" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.46-47 (1992)