1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03234105
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
細江 繁幸 名古屋大学, 工学部, 教授 (50023198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 欣司 日立製作所, システム開発研究所, 主任研究員
伊藤 正美 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023021)
伊藤 宏司 広島大学, 工学部, 助教授 (30023310)
池田 雅夫 神戸大学, 工学部, 教授 (00031146)
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Keywords | 自律分散システム / 分岐現象 / 大型宇宙構造物 / システム分割 / システム統合 / 離散事象システム / マニピュレ-タ制御 |
Research Abstract |
制御系設計に、自律分散システムの概念を取り込むことにより、制御機能の飛躍的な向上が期待できる。本研究では昨年度に引続き、これらの機能の工学的な実現を目指して、その発生原理、構成原理を非線形システム理論、従来型線形理論の拡張など以下に述べる各面から総合的に研究し、次のような成果を得た。 1.目的や外部環境の変化に応じて自律的に挙動を変更できる機能を持つシステムの構成問題を考察し、このような機能は、自律系に対応するポテンシャル関数を適当に設定することにより、非線形システムの分岐現象として発現されることを明らかにした。結果を4足動物の鉄行運動に適用し、移動速度に応じた歩行パタ-ンの変化を自律的に発生させるためのポテンシャル関数の具体的な決め方を示した。 2.大規模力学系(大型宇宙構造物など)のダイナミクスを状態方程式で記述したとき、慣性行列、減衰行列、剛性行列の対称性がどのように保存されているかを明らかにした。さらに、状態フィ-ドバックとオブザ-バの形式の対称な特性を持つコントロ-ラの構成法を発見し、H_2最適制御系などの設計法への発展させた。 3.大規模計算機制御システムのシステム分割/統合を評価する尺度を対故障性の観点から定義し、その結果をネットワ-クシステムの分割/統合評価に適用した。 4.大規模計算機制御システムを離散事象システムとしてモデル化し、生起事象の一部分が観測不能である場合の分散制御器の構成法を示し、システム動作の解析を行なった。 5.前年度の研究で提案した仮想ア-ム概念に基づくマニピュレ-タ制御を拡張し、今年度は動的制御問題に適用した。提案した方式によると、各サブシステム(仮想ア-ム)の協調によって、冗長マニピュレ-タの駆動トルクを並列、分散的に求めることができる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 湯浅 秀男: "分岐現象を用いた多様なパタ-ンを生成する自律分散システム" 計測自動制御学会論文集. 27. 1307-1314 (1991)
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[Publications] 岩壷 卓三: "柔軟構造物の構造と制御系の同時最適設計法の開発" 日本機械学会論文集. C57. 407-412 (1991)
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[Publications] 池田 雅夫: "大型宇宙構造物におけるこれからの制御技術" 計測と制御. 31. 170-173 (1992)
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[Publications] 辻 敏夫: "手先拘束を考慮したマニピュレ-タの多点コンプライアンス制御" 計測自動制御学会論文集. 27. 85-92 (1991)
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[Publications] 伊藤 宏司: "超音波モ-タを用いた3自由度前腕筋電義手" 計測自動制御学会論文集. 27. 1281-1289 (1991)
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[Publications] 辻 敏夫: "仮想ア-ムを用いた冗長マニピュレ-タの分散的軌道生成" 計測自動制御学会論文集. 27. 1412-1419 (1991)