1991 Fiscal Year Annual Research Report
海洋生理活性物質を用いたカルシウムチャンネルの精密構造認識と機能発現の研究
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03236203
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 淳一 北海道大学, 薬学部, 教授 (90221241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
繁森 英幸 北海道大学, 薬学部, 助手 (70202108)
石橋 正己 北海道大学, 薬学部, 助教授 (90212927)
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Keywords | カルシウムチャンネル / 筋小胞体 / 海洋生物 / ホヤ / βーカルボリン / カフェイン / 構造活性相関 |
Research Abstract |
哺乳動物細胞(骨格筋など)の筋収縮連関の引き金となる筋小胞体からのカルシウムイオンの遊離には、カルシウムチャンネルが関与していることが知られている。Eudistoma属のホヤより単離したeudistomin類の筋小胞体カルシウム遊離促進作用に着目して、カフェインの100倍の活性を示す7ーbromoeudistomin D(BED)を既に合成している。そこで、BEDのピリジン環の窒素原子の活性への寄与を調べる目的で、BEDのピリジン環の窒素原子を炭素原子で置き換えた2,4ーdibromoー3ーhydroxycarbazole(DHC)を合成し、この化合物の筋小胞体カルシウム遊離促進作用を調べた結果、BEDの活性の約1/5に減少していることが見出された。この結果は、BEDの活性発現にピリジン環の窒素原子の存在が重要であることを示している。現在、BEDのピリジン環の窒素原子がα位に位置するαーカリボリン化合物の合成を検討中である。一方、カフェインの1000倍強い筋小胞体カルシウム遊離促進作用を示す9ーmethylー7ーbromoeudistomin D(MBED)の[ ^3H]ー標識体をプロ-ブとして、筋小胞体の結合部位について調べた結果、MBEDはライアノジンとは異なった部位に結合していることを見出した。現在、MBEDの[ ^3H]ー標識体を用いて、MBEDが特異的に結合する部位の性質をさらに検討中である。また、別種のEudistoma属のホヤより分離したマクロリド化合物iejimalide CとDが、プロティンキナ-ゼCの活性化作用を示すことを見出したので、今後、構造活性相関を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Seino: "9ーMethylー7ーbromoeudistomin D,a powerful radioーlabelable Ca^<2+> releaser having caffeineーlike propeties,acts on Ca^<2+>ーinduced Ca^<2+> release channels of sarcoplasmic reticulum." J.Pharmacol.Exp.Ther.256. 861-867 (1991)
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[Publications] Y.Kikuchi: "Iejimalides C and D,new antineoplastic 24ーmembered macrolide sulfates from the Okinawan marine tunicate Eudistoma cf.rigida." Tetrahedron Lett.32. 797-798 (1991)