1991 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸関連生理活性化合物の合成を触媒する酵素の精密反応機構と機能変換
Project/Area Number |
03236224
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
湯元 昇 京都大学, 理学部, 助手 (30200877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 康志 京都大学, 理学部, 助手 (40177697)
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Keywords | アスパルタ-ゼ / トレオニン脱アミノ酵素 / トリプトファナ-ゼ / 遺伝子操作 / 部位特異的変異導入 / 親和性修飾 / 酵素反応機構 / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
本研究では,アミノ酸代謝に重要な役割を担い,研究代表者らによって大量調製が可能になったオリゴマ-酵素を主な材料として用い,機能発現の精密分子機構を解明しようとすると共に,新機能の付与を目的として研究を行い,以下の結果を得た。 1.アスパルタ-ゼの基質結合部位に存在することが示唆されていたシステインー430を遺伝子組み換えの手法でトリプトファンに変換し,酵素の構造と機能に及ぼす影響を詳細に調べたところ,高次構造はほとんど変化しなかったが,酵素活性が顕著に増大していることが明らかになった.この様な遺伝子操作による酵素の高活性化の例は希であり,非常に興味深い結果である. 2.アスパルタ-ゼの反応特異性の発現機構を明らかにするために,本酵素とアミノ酸配列及び反応機構上非常に類似しているフマラ-ゼを大腸菌より均一に精製することに成功し,その分子的及び酵素学的性質を詳細に調べた.また,アスパルタ-ゼの親和性修飾剤を合成するのに必要なホモセリン脱水素酵素をパン酵母より迅速に均一精製することに成功し,その分子的及び酵素学的性質を詳細に調べた. 3.大腸菌の分解型トレオニン脱アミノ酵素のアロステリック因子であるAMPによる活性化の分子機構を明らかにするために,AMPの構造類縁体であるアデノシンジホスホピリドキサ-ルを用いた親和性修飾を行い,本酵素のAMP結合部位にリジンー111とリジンー113が存在することを明らかにした. 4)トリプトファナ-ゼの活性部位の構造と基質認識部位の精密構造を明かにするため,本酵素の結晶のX線解析を推進した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yumoto,N.: "Rapid purification and characterization of homoserine dehydrogenase from Saccharomyces cerevisiae." Arch.Biochem.Biophys.285. 270-275 (1991)
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[Publications] Ueda,Y.: "Purification and characterization of two types of fumarase from Escherichia coli." J.Biochem.109. 728-733 (1991)
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[Publications] Hirose,K.: "Identification of lysyl residues in the AMPーsite of biodegradative threonine deaminase from Escherichia coli." J.Biochem.110. 971-975 (1991)
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[Publications] Kawata,Y.: "Preliminary Xーray crystallographic analysis of tryptophanase from Escherichia coli." FFBS Lett.284. 270-272 (1991)
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[Publications] Murase,S.: "Activation of aspartase by siteーdirected mutagenesis." Biochem.Biophys.Res.Commun.177. 414-419 (1991)