1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03236227
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北川 勲 大阪大学, 薬学部, 教授 (20028830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 博孝 大阪大学, 薬学部, 助教授 (50116042)
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Keywords | 生体膜 / 複合糖脂質 / スフィンゴ糖脂質 / 大豆セレブロシド / イオノフォア活性 / イオン捕捉能 / イオン輸送能 / 生体膜イオン透過能 |
Research Abstract |
生体膜を構成するスフィンゴ糖脂質、グリセロ糖脂質、およびグリセロリン脂質は,いずれも天然から微量にしか得られないこと、および、通常それらの構成脂肪酸組成は単一でなく、かつそれらの分離が極めて困難なため、任意の種類と長さの脂肪酸残基を導入し得る一般性の高い合成法の開発は、複合糖脂質の生理的機能解明研究に重要である。 本研究は、共通の光学活性合成素子を経由して、脂肪酸組成の単一なスフィンゴ糖脂質およびグリセロ糖脂質の一般性の高い合成法の開発を基盤とし、われわれが独自に考案した人工膜やヒト赤血球膜を用いたイオノフォア活性試験法により、本合成研究で得られる種々の複合糖脂質関連化合物および天然複合糖脂質の化学構造とイオン輸送に関わる生体膜機能活性との相関性を明らかにすることを目的としている。 平成3年度に以下に示す研究成果を得た。(1)2ーブテンー1、4ージオ-ルを原料として、複合糖脂質合成の重要な素子である光学活性C4ーエポキシドを大量合成した。(2)光学活性C4ーエポキシドを出発物質とした、われわれのスフィンゴ糖脂質およびグリセロ糖脂質合成法を改良し確立した。(3)北海道産大豆から、2種のスフィンゴ糖脂質ソヤセレブロシドIおよびIIを分離し、それらの脂肪酸組成を含めた全化学構造を明らかにした。(4)ソヤセレブロシドIおよびIIの生体膜機能との関係を調べる目的で、人工透析膜を用いた液膜型の“イオン捕捉能・イオン輸送能"測定装置(Wー08)およびヒト赤血球膜を用いた“生体膜イオン透過能"測定法により、それらのナトリウム、カリウム、カルシウムイオンに対するイオノフォア活性を調べたところ、スフィンゴシン部の8位二重結合がZ型のソヤセレブロンドIIがカルシウムイオン捕捉能およびヒト赤血球膜内カルシウムイオン濃度上昇作用を示すことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hirotaka Shibuya: "Syntheses of Two Pairs of C18ーSphingosines and a Palmitoyl Analogue of Gaucher Spleen Glucocerebroside" Chem.Pharm.Bull.40. (1992)
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[Publications] Hirotaka Shibuya: "Syntheses of a Glycerophospholipid,C16ーPlatelet Activating Factor and a Palmitoyl Analogue of Mー5,an Antiーinflammatory Glyceroglycolipid" Chem.Pharm.Bull.40. (1992)