1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03238109
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
尾田 十八 金沢大学, 工学部, 教授 (30019749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 二郎 金沢大学, 工学部, 助手 (20205769)
木田 外明 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (10110991)
富田 勝郎 金沢大学, 医学部, 教授 (00092792)
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Keywords | バイオメカニクス / 衝撃波 / 動光弾性実験 / 動的有限要素法 / 関節部 / 多孔質体 / 軟骨 / 離断性骨軟骨炎 |
Research Abstract |
離断性骨軟骨炎等でみられる骨ー軟骨部の衝撃損傷現象に注目して,次のような実験および理論的研究を進め,生体硬組織の衝撃応力波による損傷メカニズムの基本的知見を得た. 1.軟骨モデルの衝撃および動的特性の評価 関節部を構成しているスポンジ状軟骨について,その材料特性をシミュレ-トしたモデルをポリウレタンエウストマ-により試作し,これの動的応力・ひずみ特性や応力波の伝ぱ挙動を,対応する実験装置を試作することによって明らかにした.この研究より動的応力・ひずみ特性は空孔率に大きく影響され,また単一パルス波はこのような多孔質体を伝ぱすることによって,その応力値は低下するが,応力波の持続時間は逆に増大する. 2.骨ー軟骨部モデルの設定とその動光弾性実験 骨ー軟骨部をそれらのヤング率比が等しいエポキシとポリウレタンエウストマ-から成る円板,平板モデルに置き換え,これに衝撃応力波を伝ぱさせたときの各部に生ずる動的応力分布を超高速度カメラで把握した.また軟骨部が流体中に置かれた場合の同様の実験を試みた.これより空孔率の増大に対応して海綿骨部へ伝ぱする応力の最大値は減少するが,伝ぱ域は広くなること.さらに海綿骨部の応力状態も流体の存在でかなり変化してくることも明らかとなった. 3.動的有限要素法を用いた応力波伝ぱ挙動の解析 衝撃応力波を受ける物体に対する各部の動的応力分布を解析する有限要素法プログラムを,特に多孔質体モデルにも適用出来るように拡張した.それを用いて,先の1,2の各実験に対応したシミュレ-ション計算を試みた.その結果,各実験で得られたとほぼ同様の傾向を確認出来た.さらに衝撃応力波に対する軟骨下骨の力学的効果を解析し,これが海綿骨破損に対するプロテクタ-としての役割のあることを明らかにした.
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[Publications] 尾田 十八: "衝撃三点曲げ破壊じん性試験におけるオ-バ-ハングの影響" 日本機械学会論文集(A). 57. 804-810 (1991)
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[Publications] 尾田 十八: "多孔質体を伝ぱする衝撃応力波の減衰効果" 日本機械学会第68期通常総会講演会講演論文集. A. 162-164 (1991)
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[Publications] 末吉 泰信: "関節部の骨軟骨組織に働く衝撃力についての研究" 第18回整形外科バイオメカニクス研究会講演集. 102-102 (1991)
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[Publications] 尾田 十八: "多孔質組織を伝ぱする衝撃応力波の変動挙動について" 衝撃波シンポジュウム講演論文集. 213-218 (1992)
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[Publications] 坂本 二郎: "関節部における衝撃応力波の伝ぱ挙動について" 衝撃波シンポジュウム講演論文集. 303-306 (1992)