1991 Fiscal Year Annual Research Report
レ-ザ光解離法と組合せた衝撃波中でのラジカルの反応の研究
Project/Area Number |
03238205
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山崎 勝義 新潟大学, 理学部, 講師 (90210385)
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Keywords | 衝撃波 / エチニルラジカル / 反応速度定数 / 活性化エネルギ- / レ-ザ光解離 / 原子共鳴吸光法 |
Research Abstract |
高温条件下で活性種(原子やラジカル)をパルス的に発生しその後続反応に関する速度論的知見を得ることを目的として、衝撃波加熱状態でのレ-ザ光解離を行ない、原子共鳴吸光法による生成物検出を通じて化学反応素過程に関する研究を行なった。対象としては、アセチレン(C_2H_2)の熱解離過程で重要性が指摘されながら、高温条件での研究例がないエチニル(C_2H)ラジカルの反応をとりあげた。前年度の研究で得られた速度定数の精度を上げる一方、反応経路の分岐比を決定することを目標とした。 1.C_2Hラジカルと親分子C_2H_2の反応 C_2H+C_2H_2→C_4H_2+H (1) H原子の生成速度のC_2H_2濃度依存性および温度依存性を1260〜2487Kの範囲で測定し、反応速度定数k_1=(6.6±1.1)×10^<-11>cm^3molecule^<-1>s^<-1>、活性化エネルギ-〜0kcal mol^<-1>を決定した。またC_2Hラジカルの初期濃度と生成H原子の濃度比の測定から、反応(1)はほぼ100%の収率で表記の生成物を生成することを明らかにした。 2.C_2HラジカルとH_2との反応 C_2H+H_2→C_2H_2+H (2) C_2H_2の高温熱解離でC_2Hを再生する過程の逆反応として重要な同反応について、H原子生成速度のH濃度依存性およびその温度依存性を1565〜2281Kの範囲で測定し、反応速度定数k=(3.3±0.5)×10^<-10>exp[-(13.5±2.6)kcal mol^<-1>/RT]cm^3molecle^<-1>s^<-1>と決定した。反応(1)の場合と同様の収率測定から反応(2)も収率ほぼ100%であることを明らかにした。補助的実験として(室温条件下であるが)C_2H+D_2反応で生成する原子がD原子のみであることを明らかにし、反応(2)で生成するH原子は反応物であるH_2のみに由来することを明らかにした。以上、レ-ザ光解離と衝撃波加熱の組合せにより、特定の活性種の、特定の反応の研究を可能にした。
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Research Products
(1 results)