1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03241103
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森島 績 京都大学, 工学部, 教授 (50026093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上山 憲一 大阪大学, 理学部, 助教授 (80093376)
三木 邦夫 東京工業大学, 資源研, 助教授 (10116105)
阿久津 秀雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60029965)
石村 巽 慶応大学, 医学部, 教授 (40025599)
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Keywords | アミノ酸置換蛋白質 / 配位子結合反応 / 酸素添加反応 / 電子伝達ヘム蛋白質 |
Research Abstract |
本年度は以下の点について研究を行なった。 1ミオグロビンにおける配位子結合機構の制御因子 ミオグロビンは生体内で酸素貯蔵の機能を果たしており、酸素の可逆的な結合が可能である。本研究では酸素などの配位子結合に大きな影響を与えると考えられているヘム近傍の疎水性クラスタ-に注目し、その中に存在するLeu29、Leu72、Leu104、Val66を立体障害の異なる他の疎水性アミノ酸残基に置換した。その結果、29位のLeuを置換すると酸素や一酸化炭素の再結合反応速度が著しく遅くなり、また配位子の結合構造も変化することが明らかになった。つまり、この部位がLeuであることにより、配位子結合を加速されるものと結論づけられた。 2アミノ酸置換チトクロ-ムP450の酸素添加機能 チトクロ-ムP450の酸素添加機能の解明のため我々は252位のThrに注目し、この水酸基を消失させたAlaに置換したところ基質への酸素添加が阻害されヘム鉄に配位した酸素は過酸化水素として放出されることを明かにしてきた。今回その252位の近傍で、酸素結合部位を形成するために重要と考えられている、Lys178ーAsp251ーArg186のイオンペアを切断したところ、特に251位のアミノ酸置換により酸素分子の消費が著しく減少し、この部位のアミノ酸が酸素分子のヘムへの結合に大きく関与していることが明かになった。 3チトクロ-ムc3の立体構造解所 従来、我々はNMRを用いてチトクロ-ムc3の立体構造解析を行なってきたが、今回、重水素化したアミノ酸を用いることにより、高磁場側に常磁性シフトしたシグナルをヘム鉄に配位したHisのイミダゾ-ル基に由来することを明かにした。更にこれらのシグナルの常磁性シフトの値と4個のヘムの酸化還元電位の検討からそれぞれのヘム近傍構造の推定を試みた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Adachi,S et al: "Structure and Ligand Binding Properties of Leucine 29(B10) Mutants of Human Myoglobin" Journal of Biological Chemistry. 266. (1992)
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[Publications] Yamaguchi,K.et al: "Push Effects on the Heterolytic O-O Bond Cleavage of Peroxoiron (III) Porphyrin Adducts" Inorganic Chemistry. 31. 156-157 (1992)
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[Publications] Ozawa,S.et al: "NMR Studies of Iron(II) Nitrosyl π-Cation Radicals of Octaethylchlorin and Octaethylisobacteriochlorin as Models for Reaction Intermediate of Mitrite Reductase±" Journal of American Chemical Society. 114. 1548-1554 (1992)
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[Publications] Yamaguchi,K.et al: "Remarkable Solvent Effect on the Shape-Selective Oxidatin of Olefins Catalyzed by Iron(III) Porphyrins" Inorganic Chemistry. 30. 2581-2582 (1991)