1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03241227
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西長 明 大阪工業大学, 工学部, 教授 (80025882)
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Keywords | コバルト(II)シッフ塩基錯体 / 酸化還元電位 / アミン類の脱水素反応 / 電子移動反応 / 塩基触媒作用 / 逆クライゼン反応 / クロモン誘導体の合成 |
Research Abstract |
1.サリチルアルデヒドの3-,および5-位に各種置換基を導入し,種々の置換ジアミン類とより成る28種類のシッフ塩基を系統的に調製し、それらのコバルト(II)錯体に導いて,電子的および立体的に系統的にデザインされたCo(salen)誘導体[Co^<II>(SB)]を合成した。 2.上記のCo^<II>(SB)の酸化還元電位(E^°)をDMF中サイクリックボルタンメトリにより測定し,E^°に対する錯体置換基の電子的効果はDMF中溶媒のコバルト中心への配位により弱められたが,3-位の置換基およびアミン部の置換基の立体効果はE^°を正側にシフトすることを明らかにした。 3.Co^<II>(SB)を触媒として置換ベンジルアニリン類を酸素またはtーブチルヒドロペルオキシド(TBHP)により酸化すると、高選択的脱水素反応が進行して対応するイミンとなるが、酸素を酸化剤として用いるとCo^<II>(SB)の触媒活性はそのE^°に相関せず、基質の配位が可能となるような錯体の立体的構造要素が重要であり,TBHPを酸化剤とするときはCo^<II>(SB)のE^°と直接相関することがわかった。前者では基質アニリン環からCo^<III>(SB)種への,また後者では基質アニリン環から反応中間体Co^<III>(SB)(OOBut)のラジカル分解で生成するtーブトキシラジカルへの電子移動を含む機構で反応が進行することを明らかにした。 4.ジオキシゲナ-ゼ型触媒活性を発揮するCo^<III>(SB)(OH)の塩基触媒作用能の解明の一環として,1-(2-ヒドロキシフェニル-3-フェニル-1,3-プロパンジオン誘導体とCo^<III>(SB)(OH)との反応をアルコ-ル性溶媒中で検討したところ,1,3-ジケトン類の逆クライゼン反応が進行し,溶媒を選択することにより,高選択的にクロモン誘導体の合成に利用できることを見出し,Co^<III>(SB)(OH)錯体が塩基触媒作用能を有することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Nishinaga: "Co(salen)Catalyzed Oxidation of Oximes with tーButyl Hydroperoxide" React.Kinet.Catal.Lett.43. 273-276 (1991)
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[Publications] A.Nishinaga: "Substituent Effects on the Formal Potential of the Co^<II>/Co^<III> Redox Couple for Co(salen)Derivatives" Chem.Lett.1403-1406 (1991)
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[Publications] K.Maruyama: "Cobalt Schiff Base Complex Catalyzed Dehydrogenation of Amines with tーButyl Hydroperoxide" Chem.Lett.1093-1096 (1991)
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[Publications] K.Maruyama: "Cobalt Schiff Base Complex Catalyzed Solvolytic Ring Opening of Epoxy Compounds" React.Kinet.Catal.Lett.45. 165-171 (1991)
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[Publications] A.Nishinaga: "A New Metal Complex Promoted System for Highly Selective Synthesis of Chromones" Synthesis. (1992)
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[Publications] A.Nishinaga: "On the Mechanism of Cobalt Schiff Base Complex Catalyzed Oxidation of Amines with O_2 and tーBuOOH" J.Org.Chem.(1992)