1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03242206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 敏 大阪大学, 薬学部, 助教授 (10107104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山縣 ゆり子 大阪大学, 薬学部, 助手 (40183678)
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Keywords | RNA / ヘア-ピン / 塩基対 / X線構造解析 |
Research Abstract |
RNAは生体内で,多様な高次構造をとり,多彩な機能役割を行う。機能性RNA分子の高次構造を原子レベルで明らかにするためにX線構造解析を行った。今課題で取り上げたRNA分子は,bacteriophage T4のintercistronic regionに高頻度で見られるUUCGの配列をもち,非常に熱安定なヘア-ピン構造をとることがNMR測定などの溶液実験より明らかになっているものである。塩基配列はUGAGCUUCGGCUCの13merである。このRNA分子の結晶化に成功し.解析をほぼ終えた。解析法は分子置換法で初期座標を設定し位相を求めた。電子密度分布に適合した構合モデルを作成し、構造モデルの精密化を最小自乗法によって行った。結晶構造では13merはヘア-ピン構造を採っておらず,2量体となって2重らせん構造を形成していた。2重らせん構造の中央には,通常のワトソンークリック塩基対とは違うG=U,U=C,C=U,U=G塩基対が連続して配列していた。これらの新規な塩基対の形成には水分子の介在が不可欠であり,2重らせんの糖ーりん酸骨格には大きな構造変化は見られていない。2量体はA型構造を採っているが,分子の両端部分は通常のA型構造とは違って,らせん軸に対して塩基対が傾いてはおらず,B型に近い構造となっていた。5'末端にある塩基Uは隣接2売体の同じU塩基との間に塩基対を形成しており,結晶格子の形成に寄与していた。13mer分子が結晶中でヘア-ピンを採らなかったことは,今回の結晶化条件のRNA分子の濃度が高いために,2量体形成系に平衡が片寄っているためと考えられる。従って結晶化の条件を独検討することが必要と考えられる。また,今回明らかになった構造に基ずいて構造化学的考察を行っている。とりわせU=C塩基対の形成にどの程度の普遍性があるのかを,DNA分子,隣接する塩基配列の影響などについて検討する必要がある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] R、Sakaguchi: "An NMR study on the corformation of a deoxgolgygomleotide duplex,d(GGGGCCCC)_2 and its complex with chromongin" J.Biochemistry. 109. 317-327 (1991)
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[Publications] J.Vicens: "Separation of Xylene by extractil crystalligation with calixarene" J.lnclu.Phenomena. 10. 159-161 (1991)
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[Publications] S.Tuji: "Stafility Constants of (RS)ーisopeopyl itrate metal complexes and phore transition of Zinc(RS)ー1ispopylatrete" Iem.Pharm.Bull. 39. 1082-1084 (1991)
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[Publications] H.Hiroaki: "The molecalar recognition nechaism of DNA by bleomycin" Nucleic Acids Research. S25. 147-148 (1991)
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[Publications] S.Fujii: "mulenlin structure of extraordinarily stable RNA:mudel building and Kray analysis" Mleie Aids Research. S25. 181-182 (1991)