1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03248105
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小池 勲夫 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30107453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 英一郎 気象研究所, 室長 (50133129)
簗田 満 北海道大学, 水産学部, 助教授 (00166555)
寺崎 誠 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (20111586)
谷口 旭 東北大学, 農学部, 教授 (30002091)
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Keywords | 炭素循環 / 窒素循環 / 食物連鎖 / 生物粒子 / 溶存有機物 / デトリタス |
Research Abstract |
本研究では西部北太平洋の代表的な海域である,亜寒帯域,亜熱帯域,,赤道域の3つの海域を主な研究海域として,これらの海域における表層域での炭素循環と従属栄養生物の活動とのカップリングについて明らかにすることを3年間の目標としている。平成3年度は主に春期の亜寒帯域と亜熱帯域を対照にして白鳳丸研究航海を実施し,本計画研究班の全員がこれに乗船し共同研究を行った.主観測点は165°Eに沿って45°N(測点A)及び25°N(測点B)の2点とし,45°Nについては春期の変動を明らかにするために5月の13日ー16日と,約3週間の間をおいた6月2日ー4日の2回にわたって観測を行なった.亜寒帯の測点であるA点では、この約3週間の間に諸成分の鉛直分布はほとんどかわらず活発なブル-ムは起こっていないと考えられる。又B点は典型的な貧栄養亜熱帯海域である。これらの海域において以下の観測および実験・測定を行うことによって、生物粒子の変質過程と表層からの除去について解析を行った。(1)微小生物粒子(バクテリア、ウイルス)及びDOC,DON,コロイド粒子の鉛直分布の同時測定による比較に基ずいて植物プランクトンからの食物連鎖を経由してのデトリタス形成について、春期南北の定点で大きな違いがあることを見いだした。(2)表層の懸濁粒子の化学的キャラクタリゼ-ションを粒状物質中のchla、ATP、DNAあるいは懸濁態タンパク質の電気泳動法等によって行った結果、非生物デトリタスの懸濁物への寄与が重要であることがわかった。(3)繊毛虫などの微小動物の現存量の鉛直分布とその船上実験による増殖過程について解析した結果、温度と光条件の関与が示唆された。(4)マクロ動物プランクトンの日周鉛直移動と消化管内色素の解析から、カイアシ類のchlaをベ-スとした摂餌速度は一次生産速度に比べて極めて低いことがあきらかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tupas,L.: "Simultaneous uptake and regeneration of ammonium by mixed assemblages of heterotrophic marine bacteria." Mar.Ecol.Prog.Ser.70. 273-282 (1991)
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[Publications] 谷口 旭: "親潮域の浮魚餌料環境にみられる規則的な季節変動の大きな振幅について" 北海道区水研研報. 55. 27-34 (1991)
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[Publications] Goto,T.: "Comparative morphology of the eyes of Sagitta (Chaetognatha) in relation to depth of habitat." Exp.Biol. 48. 95-105 (1989)
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[Publications] Odate,T.: "Distribution of cyanobacteria and other picoplankton in the Western North Pacific Ocean,summer 1989." J.Oceanogr.Soc.Japan. 48. 184-189 (1990)
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[Publications] Tanour,E.: "Occurrence and characterization of particulate proteins in the Pacific Ocean." Deep-Sea Res.(1991)