1991 Fiscal Year Annual Research Report
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03249211
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
齋藤 修二 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所・分子構造研究系, 教授 (30106158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 智 名古屋大学, 理学部, 助手 (80182624)
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Keywords | マイクロ波分光 / サブミリ波分光 / フ-リエ変換マイクロ波分光 / 星間分子 / 短寿命分子 / 含シリコン分子 |
Research Abstract |
1.高感度サブミリ波分光器の開発 分光法の実効的な感度を向上させる一つの方法として,分子の遷移強度が大きくなるサブミリ波帯での感度の向上が考えられる。しかし,従来,この領域には高分解能分光に適した良い光源がなかった。〜1000GH_Z(波長0.33mm)までの分光を確立させるために,後進行波管(カルシノトロン)の出力の2〜3倍波(波長〜0.3mm)を光源とする分光器の開発をおこなう。本年度は,カルシノトロン電源のダミ-ロ-ドを製作し,これを用いて,別途準備した電源のテストをもおこなった。また,カルシノトロン冷却用水冷システムの整備もおこなった。さらに,別途準備した,遠赤外用非線形素子を用いる倍周波器の設計,工作をおこなった。 2.フ-リエ変換型マイクロ波分光器の開発 周波数の低いセンチ波領域においては,分子の遷移強度も小さく,今まで,この領域が分光法の実効的な感度は低かった。しかし,観測する周波数帯を高出力のパルスでカバ-するフ-リエ変換型分光器は,吸収セルに,Q値の高い共振器を用いることもあり、ミリ波帯マイクロ波分光器の感度に匹敵する感度が得られている。本研究では,炭素鎖分子など比較的重い分子の遷移強度がセンチ波帯で最大になり、ミリ波、サブミリ波では検出、分光が困難になることに留意し、この領域での高感度分光法の開発をおこなう。本年度は、分光器の基本的な設計を終え、共振器、真空系、検出回路、パルス発生制御回路に必要な部品の購入をおこなった。次年度初には組立が可能になる。 3.星間分子に関連する短寿命分子のミリ波サブミリ波分光 既設のミリ波サブミリ波実験室分光器を用い、星間分子として存在する可能性の大きい短寿命分子の分光をおこなった。特に、新しい含シリコン分子として、C_2H_2SC,CH_2Si,HSiOのスペクトルを初めて検出した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Takano: "Silicon Chemistry in the Outer Envelope of IRC+10216.The Detailed Distribution of SiC_2" Publications of the Astronomical Society of Japan. 44. (1992)
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[Publications] S.Yamamoto: "SiO in Barnard 1" Publications of the Astronomical Society of Japan. 44. (1992)
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[Publications] H.Mikami: "Detection of SiO Emission in the L1157 Dark Cloud" Astrophysical Journal. (1992)
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[Publications] S.Yamamoto: "The Microwave Spectrum of the CH_2 N Radical in the ^2B_2 Ground Electronic State" Journal of Chemical Physics. 96. (1992)
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[Publications] K.Kawaguchi: "Observations of Cumulene Carbenes,H_2CCCC and H_2CCC,in TMC1" Publications of the Astronomical Society of Japan. 43. 607-619 (1991)
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[Publications] S.Takano: "MillimeterーWave Spectra of the Aluminum Monosulfide Radical(X^2Σ^+)" Journal of Chemical Physics. 94. 3355-3360 (1991)