1991 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子アルゴリズムによるニュラ-ルネットを持った人工動物の適応学習と進化
Project/Area Number |
03251207
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
星野 力 筑波大学, 構造工学系, 教授 (30027130)
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Keywords | 遺伝的アルゴリズム / ニュ-ラルネット / シミュレ-ション / 最適化 |
Research Abstract |
遺伝的(遺伝子)アルゴリズムによってニュ-ラルネットの構造自身を最適化する一連の試みである。(1)パ-セプトロン生物の例。生物のモデルと環境は、格子世界で、エサを捕食し移動する。内部エネルギ-はエサを食べると増加し、鳴いたり移動したりすると減少する。寿命に達するか、ゼロエネルギ-になったとき死ぬ。前方や左右方向のエサの分布を入力とし、行動を出力とするパ-セプトロンネットワ-クを内部モデルとしてもつ。入力層から隠れ層への結線の重みを遺伝子情報として扱う。隠れ層から出力層への結線の重みは行動を通じて誤差学習されるが遺伝しない。教師信号は、行動の結果生じた内部エネルギ-の増減である。この誤差学習は過去数ステップに遡って行う。生物は、生殖の相手をランダムに選び、2個体間で互いの遺伝子を交叉、または突然変異させて子に伝える。シミュレ-ションを種々の環境でおこない、環境の変化にたいして最適戦略をとる生物が生存競争により多数を占めることを観察した。(2)ニュ-ラルネット構造最適化の例。二倍体遺伝と地理的隔離モデルを用いた遺伝的アルゴリズムにより、パ-セプトロンネットワ-クの正解率と構造の最適化を行なった。局所解へトラップを避けるため、個体集団中の遺伝子型に多様性をもたせた。この研究では染色体の減数分裂モデルをとりいれた二倍体モデルを採用した。また異なる初期値から出発する探索を隔離された複数の個体集団において実行し、適当な世代間隔で個体の交流を行った。対象としたネットワ-クモデルは、2入力の論理和、論理積、排他的論理和の各関数を出力とするパ-セプトロン型のネットワ-クである。その結果、目的とする入出力関係が正しく学習され、最小のユニット数を持ったニュ-ラルネット構造が得られた。また、その過程において、多様性が維持されていることが確認できた。
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[Publications] 星野 力: "遺伝的アルゴリズムによる生物進化のシミュレ-ション" bit. 23. 1121-1132 (1991)
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[Publications] 河内 正浩,稲吉 宏明,星野 力: "二倍体遺伝と地理的隔離モデルを用いた遺伝的アルゴリズムによるニュ-ラルネット構造の最適化" 人工知能学会誌(5月号). 7. (1992)