多数のカテゴリを学習・識別するニュ-ラルネットCombNETーIIに関する研究

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 03251215
• Research Institution: Nagoya Institute of Technology
• Principal Investigator: 岩田 彰 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10093098)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松尾 啓志 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (00219396) ; 鈴村 宣夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (10023102)
• Keywords: ニュ-ラルネット / 文字認識 / 音声認識

Research Abstract

本研究は、多数のカテゴリを学習・識別するニュ-ラルネットとして提案しているCombNETーIIを基本的なネットワ-クモデルとして用い、その学習能力、認識能力、汎化能力などの諸性能について検討するものである。本年度は、CombNETーIIのパタ-ン識別能力を検証するため、JIS第1,2水準の印刷漢字(6349文字)デ-タを識別する実験を行なった。このようにして構築されたCombNETーIIを用いてJIS第1,2水準印刷漢字6349文字の識別実験を行なったところ99.8%前後という高い識別率が得られた。さらに、マルチフォント印刷漢字の認識実験も行なったところ、字形の違いに対してStemーNetworkニュ-ロンの増加によって適応的に対応するネットワ-クを構成することができた。次に、手書き英数字の認識実験を行なった。今回、電総研から提供されている文字デ-タベ-スETL6に含まれている手書き英数字を識別対象に実験を行なった。その結果、600人分のデ-タを学習したときに、未知デ-タに対する認識率が99.0%に達した。CombNETーIIは、このように個々のデ-タの変動にも柔軟に対処することのできるネットワ-クとなっていることを示した。さらに、CombNETーIIによる単語音声認識を行いその有効性を検討した。特徴パラメ-タには音声の周波数変化と時間変化を同時に表すことのできる2次元メルケプストラムを用いた。まず、特定話者による1000単語の認識実験を行なったところ、最高認識率は99.0%となった。また、20人の話者による100単語の認識実験を行なったところ、やはり99.0%もの高い認識率を得た。以上、CombNETーIIが分類カテゴリ数の多いパタ-ン認識の識別関数の学習方式として、単純な階層型ニュ-ラルネットワ-クの限界を超える能力をもっていることを明らかにした。

Research Products

• [Publications] 堀田 健一: "大規模ニュ-ラルネットCombNETーII" 電子情報通信学会論文誌. J75DーII. (1992)
• [Publications] 松岡 康広: "CombNETーIIによるマルチフォント印刷漢字認識" 1992年電子情報通信学会春季全国大会講演論文集. (1992)
• [Publications] Akira IWATA: "Classification of handーwritten digits by a large scale heural network “CombNETーII"" Proc.of IEEE&INNS Int,Joint Conf,on Neural Networks in Singapore. 2. 1021-1026 (1991)
• [Publications] 魏回: "CombNETーIIによる1000単語音声認識" 電子情報通信学会技術研究報告. NC90. 175-180 (1991)
• [Publications] Tadashi KITAMURA: "Spcakerーdependeut 1000 word recognition using a lavge scale neural network“CombNETーII"and dynamic Spectral featuves" Proc, of IEEE & INNS Int,Joint Conf,on Neurol Networks in Singapore. 2. 1202-1207 (1991)
• [Publications] 魏回: "単語音声認識におけるCombNETーIIの追加学習の検討" 日本音響学会講演論文集. (1992)