1991 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト無細胞転写調節系の確立とそれを用いた転写制御機構の解析
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03254202
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
北嶋 繁孝 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (30186241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小葉櫻 拓 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (30227334)
小林 靖 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (70225548)
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Keywords | in vitro転写系 / HeLa細胞基本転写因子 / cDNAクロ-ニング |
Research Abstract |
我々のHeLa核抽出液分画法はRoederのものと異なるため、当初その対比が重要課題であったが、本年度までの研究により現時点における対比には問題がなくなった。つまりFA(IIB)、FB(IIーI,J?)、FC(IIF)、FD(IID)、FE(IIE)、FF(IIA)である。TFIIFは80KDaと30KDaとのヘテロマ-で、転写活性には両サブユニットが必須であり、DNApromoter、IID、IIA、IIBによって形成された複合体にRNApolymeraseIIがrecruitされる反応に関与している。我々はIIFの各サブユニットの部分アミノ酸配列を決定し、それから推測されるオリゴタクレ オチドを用いてlarge subunitのcDNAクロ-ニングを行なった。ヒトリンパ球cDNA libraryから得られた最長2.4kbのクロ-ンは決定された部分アミノ酸配列全てをコ-ドしており、完全長であった。ノ-ザン、サザンブロットによりmRNAは約2.8Kbの主要なバンドであり単一遺伝子であると結論された。構造上517個のアミノ酸からなり、58KDaの分子量を有していた。184番から350番までアスパラギン酸、グルタミン酸に富むacidicな領域があり、このC末462番目まではA‐Kinase、C‐Kinaseによるリン酸化部位が多く存在していた。IIFはin vivoでリン酸化されており、構造上からも示唆されると考えられた。このcDNAをT7RNAポリメラ-ゼを用いたStudierの方法で大腸菌で発現させ、同様に発現させたsmall subunitとの転写再構成をテストしたところ、両サブユニットの存在下でIIF活性が認められた。これにより我々がクロ-ニングしたcDNAは確かにIIFのlarge subunitであると結論できた。ただ転写活性の再構成は、HeLa IIFに比べ極めて低レベルであった。さらに大腸菌での発現蛋白はSDS‐PAGE上72KDaの大きさを有し、HeLa IIFよりやや小さな分子量を有していた。このことからin vivoでのpost‐translationalな修飾の可能性を示唆した。
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[Publications] Aso,T.: "Characterization of cDNA for the large subunit of the transcription initiation factor TFIIF." Nature. 355. 461-464 (1992)
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[Publications] Kitajima,S.: "A heteromeric transcription factor required for mammalian RNA polymerase II." Nucl.Acids Res.18. 4843-4849 (1990)
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[Publications] Kitajima,S.: "Resolution and characterization of factors required for in vitro transcription by mammalian RNA polymerase II." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 86. 6106-6110 (1989)